内容説明
惨劇に彩られた「十角館」と同様、奇矯な建築家・中村青司の手になる「水車館」。古城を彷彿させる館の主は、過去の無惨な事故ゆえ常に仮面をつけた藤沼紀一。妻は幽囚同然の美少女。1年前に起こった奇怪な殺人と、一人の男の密室からの消失。舞台は整った。1年後のいま、戦慄の大トリックが待ちうける!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
36
★★★★有栖川有栖のあとがきに、うまく言い表されていた。「作者がフェアに伏線を張っているので、いくつかの部分で読者が真相を見抜くことができるかもしれない。だが、すべてを見破ることは、非常に困難である。・・・」と。推理小説では犯人候補はわずか数人しかいないので、一度はこいつかもと考えることはある。なんかあやしいなぁと思う箇所もある。それを読後 ああやっぱりというのが、普通の推理小説である。が、前作十字館にしても、この作品にしても、大いに予想を外してくれるところに、まさしく綾辻の真骨頂なのである。2020/06/01
石
30
「水車館」の主は、過去の事故が原因で仮面をつけている藤沼紀一。妻は幽囚同然の美少女。1年前に起こった奇怪な殺人と、一人の男の密室からの消失。1年後の今明かされる大トリック! 2作目の館シリーズは20年以上昔の作品とは思えないくらい、楽しめました。何と無くオチはよめたけど。でも白いマスクといえば、やっぱり犬神家の一族、佐清を思い出しちゃいますね(笑)2014/09/14
夏
16
仮面に醜い素顔を隠した主人の住む水車館。その館で、一件の事故と殺人が起き、犯人と思われる人物は館に飾られた絵画を盗んで失踪した。それから一年後、事件のあった日に館を訪れた人々が再び集う中、事件に興味を持つ招かれざる客が館を訪問する。現在と過去が交互に語られ、読者は過去に何が起こったのかを知る。そして現実のパートで徐々に解き明かされていく真実。ある事柄から犯人を予想してはいたけれど、その予想を凌駕する真実に息が止まった。ここまで推理できた人がいるのだろうか。『十角館の殺人』とはまた違った驚き。面白かった。2023/01/22
チャコ
14
面白かったです。閉ざされた空間で起こる事件な上に、残された人間も少なく、ミステリではお馴染みのようないくつかのシチュエーションという、犯人の目処がつきやすい中で、最後まで飽きさせず一気に読ませるのは流石だなぁと思いました。ラストのホラーじみた終わり方も良かったです。さて3巻目にいこうかな。2013/10/25
さとちん@脊椎オパ3/10参戦
14
シリーズ2作目です♪私にしては割とすぐに大方の真相にたどり着く事が出来ましたが、面白かったです。あえて繰り返しの表記があってピンと来ましたが、解説にあるように犯人を限定する手掛かりがキチンと出ていて前作よりもフェアだったような気がします。3作目が楽しみです♪2011/02/23