出版社内容情報
【内容紹介】
学園紛争のさなか、人生に絶望していた一ノ関教授は悪魔・メフィストと取引をし、魂と引き換えに新しい人生を手に入れた。過去の記憶を失くし、青年として生まれ変わった一ノ関教授は、資産家・坂根第造に拾われるが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
仲本テンカ
6
メフィストが、魅力的な美女になるだけで、こんなにも印象が変わるとは思いもしませんでした。2013/12/04
ポチ
3
以前ファウストを描いていた手塚先生が、日本の高度成長期を経た日本を舞台に再びファウストを描いた本作。といっても、学生運動や同じ人物が同時間にいたり、メフィストが女性だったりととにかく手塚先生の手腕が存分に発揮されており驚かされます。最初の大学のシーンの坂根という登場人物が何者なのかが分かった瞬間ゾッとしたなあ。結構あくどい事をしているので、ファウストと同じく天国に行けるのか?っていうぐらい。メフィストがうっかりしたり、いじらしかったり、気になるキャラクターでした。続きが気になる。2013/11/29
印度 洋一郎
2
あの「ファウスト」を20世紀の日本へ舞台を変えて、マンガの神様が挑んだ意欲作。学問一筋の老教授が悪魔の誘いで、 人生をやり直す(古い記憶は失う)が、政商に拾われ、戦後復興の時代を生き抜く果てに、物語の最初に戻っていく。主人公のキャラクターが運命の変転と共にどんどん変わっていくのが印象的。2023/05/21
hibimoriSitaro
1
手塚治虫逝去のさい連載中だった3本の中でも最後に描かれた絶筆中の絶筆だそうである。2015/03/21
烏鳥鷏
1
ファウストはいろんな作品でモチーフにされるけど原典はまだ読んだことがなく、どこまで踏み込んでネタにしているのかよくわからんが面白かった。生命科学の権威ながらも老い先短い教授が悪魔と契約して若返り、タイムスリップ。記憶を失い別人のようになった彼はやがて老いたかつての自分自身とも出会う。未完らしいが区切りはあるのかな2015/01/01