出版社内容情報
町と農村。共同体の動的な耕造と規律を解析。荘園領主と農民、都の町組は、表の社会構造である。現実には、職人、芸能民、乞食などの存在は、陰に陽に権力と結びつき、複雑な秩序と下克上の風土を醸成した。
内容説明
検注帳類に見える「除田」とは何か。そこからは荘園領主に対する手工業者の製品寄与、芸能の専門化など分業体制の姿が浮かび上がる。また、軒を並べた都の町の構造と、住居にふりかかる災厄とはどんなものだったのか。あるいは、自然災害や権力に対抗して生きるための戦いはいかなるものだったのか。激動の時代、町と農村に生きる民衆の実相を追う。
目次
2 民衆生活の起伏(荘園体制下の分業形態と手工業;室町時代の京都における町屋支配について―中世民衆思想史への試みとして;生きるためのたたかいと規律―中世末~近世初頭民衆史の断面)
付録4 中世民衆史における「十五歳」の意味について
付論5 角倉了以―民衆史のなかの豪商
著者等紹介
横井清[ヨコイキヨシ]
1935年、京都市に生まれる。立命館大学大学院修士課程修了後、部落問題研究所・京都市史編さん所・花園大学・富山大学・桃山学院大学などに勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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