講談社学術文庫
黒い聖母と悪魔の謎 大文字版

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  • サイズ 文庫判/ページ数 247p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061598447
  • NDC分類 702.099
  • Cコード C0171

内容説明

ラテン十字形の平面図のもと、この世における神の国として建てられた中世西欧の大聖堂。入口は西側に、主祭室は東側に、北側には旧約世界、光溢れる南側には新約世界を、と一定の「文法」に従う建築物の中、そうした神の体系から逸脱する表現が現れる。葉人間、ガルグイユ、悪魔など奇怪な造形が表す意味は何か。キリスト教美術の“綻び”を解読。

目次

序 図像学(イコノグラフィ)とは
第1章 悪魔の出現とその形態
第2章 ロマネスク美術と『黙示録』
第3章 右と左の序列―左は悪い方向
第4章 謎の黒い聖母像
第5章 『旧約聖書』伝壁画のなかの横顔像
第6章 目隠しされた女性像―シナゴーガ表現
第7章 「葉人間」の正体
第8章 怪物ガルグイユの象徴的意味
第9章 一角獣のタピスリーの意味

著者等紹介

馬杉宗夫[ウマスギムネオ]
1942年生まれ。東京芸術大学芸術学科修士課程修了。1974年、パリ大学付属考古学研究所博士課程修了。武蔵野美術大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nat

28
図書館本。キリスト教美術のなかの何か異質で異様なものについて解説しながら、その謎解きをしている。右と左の序列や葉人間のケルトとの関わり、前から不思議に思っていた怪物ガルグイユなど興味深い内容がたくさんあった。2021/05/14

Homo Rudolfensis

13
☆4.4 悪魔の彫刻、黒い聖母像、ユニコーンのタペストリー、そして有名なガーゴイルなど、西洋美術のメタファー的なものについて考察している本。基本的な部分の説明もきちんとしてくれるし、筆者の自説も盛り込まれているためマニアックな満足もあるしで薄いのにボリューミーな本でした。 タイトルにある黒い聖母と悪魔に関しては、本書全体のテーマというより、並行する小テーマの一つ、という感じです。これらに関して300頁程度の内容が読めると思っていると肩透かしを喰らうのでご注意を。2021/10/05

三谷銀屋

1
中世西欧のキリスト教美術に表された造形に込められた意味や象徴を読みとく図像学(イノコグラフィ)の本。ロマネスク美術に見られる「黒い聖母」、葉人間、ガルグイユなど、主流のキリスト教美術から逸脱した異形の造形の由来を考察する。それは、キリスト教以前の土着のアニミズムやケルト神話の神の象徴がキリスト教美術に取り込まれた結果の造形だったり、罪を犯す事の恐ろしさを民衆に示すための悪魔の像であったりと、どこか日本の神道、仏教と民間のアニミズムの関係や地獄絵の思想を連想させる。西欧美術史は疎いけれど面白く読めた。2020/12/29

モリエ

1
西洋美術館の売店で購入。図像学の視点で、ヨーロッパ中世の美術の中に隠れている異形を読み解いた話。悪魔が9世紀にならないと出現しないとかガーゴイルの役割、グリーンマンの2形態など興味深かった。でも「貴婦人と一角獣」の解釈はどうかな?と思わないでもない。謎とき、というよりは「解釈」だから、あまり目くじら立てないでおこう。2013/05/12

刳森伸一

0
話も面白いし、図版が豊富なのはいいけど、ちょっと図版が見づらい。2012/11/28

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