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講談社学術文庫
「分ける」こと「わかる」こと

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  • サイズ 文庫判/ページ数 226p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061597679
  • NDC分類 116.5
  • Cコード C0110

内容説明

「わかる」ために人間が行なう「分ける」という行為。分類の仕方はまた認識の仕方を決定づける。天と地、三材、四大、五行…世界認識のために引かれる分節線は細分化を通して原理に到り、折り返しなされる再構成の作業が「理解」を導く。古代ギリシャ・東洋の思想から近代哲学・科学まで分類の方法と論理を渉猟し、「わかる」ことの人間的真相に迫る。

目次

第1章 「わかれ」の論理―分離と統一(「わかれ」―もう一度一つになること;分かれる前が本来の姿 ほか)
第2章 「わかり」の論理―認識と理解(「わかる」ということ;これ以上分けられないものに還元する ほか)
第3章 「わけ」の論理―カテゴリーと範疇(クラシフィケーションと分類;利害による分類から客観的な分類 ほか)
第4章 「ことわけ」の論理―抽象と階層組織(共通点を拾いあげる;抽象のさまざまなレベル ほか)
第5章 「わかる」の論理―意義と目的(教訓;「わかった風」 ほか)

著者等紹介

坂本賢三[サカモトケンゾウ]
1931年、神戸に生まれる。1953年、大阪大学理学部物理学科卒業。同大学院文学研究科(哲学)博士課程修了。哲学・科学史・技術史を専攻。1991年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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shishi

5
[A]「分ける」と「わかる」を巡って古今東西の思想と分類をあまねく見ながら「分ける」「わかる」の像を描こうとする。特にアジアの智慧、中国やインドの思想に詳しく触れられている点、そして記述の仕方が一本道のような論理一辺倒ではなく、博物館的な陳列の記述になっている点で脱西洋中心主義的な思考を意欲的に試みている。語源の説明も説得力を持ったもので、勉強になった。2013/08/29

あだこ

3
池田清彦の分類学のような学術書かと思いきや、全然違っていた。西洋思想だけでなく、儒教・仏教などからも事例を引っ張ってきて、それらの諸思想が如何に分けようとしてきたかが説明される。一種の哲学史・思想史として読んでも面白い。2012/06/10

Nautilus

3
分類と理解について述べた、分類に困る本。薄いけど密度は高い。古代中国やギリシャ、仏教、近代哲学と、著者の学識の広さには感心した。最後の章に論点が手際よくまとめられているのも親切。ただ、すべて納得できたわけではない。例えば、『「わかる」とはその分類体系がわかるということであり、「わかり合う」とは相互に相手の分類の仕方がわかり合うことである』。これでは言い尽くしてはいないだろう。2010/02/19

りんご

2
筆者が世の中の偏見をなくしたいと強く願っていることが伝わってきた。分類の仕方も、全て人間の恣意的なもの。それが宗教と結びついて、差別的な考え方に繋がるんだな。 多様性という言葉を最近よく聞くが、分けることの意味を今一度考えてみよう。色々な分け方があることを意識しながら。 西洋と東洋の哲学の違いや共通点を知れて、興味深かった。 遠く離れていても、人間の考えることって似てる!2021/04/07

死の舞踏

2
始めの方はフムフムと読めるが、途中からは古今東西の哲学をひたすらに列挙してある本。面白い考え方だな、と思ってもすぐ次の話に行ってしまう。全体を貫く論旨がよく分からない。著者に様々な文献の知識があってすごいなあとは思うけど。2013/02/01

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