講談社学術文庫
「名」と「恥」の文化

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  • サイズ 文庫判/ページ数 226p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061597402
  • NDC分類 122.04
  • Cコード C0112

内容説明

日本と中国の文化の本質は一体何なのか。千載の後に名を残す、中国人は殊の外名を重んじた。名と恥を人間倫理の根底に置いた日本人と中国人。恥を雪ぐ―武士の伝統のある日本人の名誉感。無教養は恥―神なき文人の文化、中国人の面子。本書では、恥を名の裏返しとして捉え直し、日中両国人の生き方を鮮やかに解析する。

目次

第1章 言語・文字としての名
第2章 名誉・名声としての名
第3章 儒教の別名としての名教
第4章 中国人の名誉感と封建武士の名誉感
第5章 恥と罪
第6章 中国人の宗教意識―名と恥の背景

著者等紹介

森三樹三郎[モリミキサブロウ]
1909~1986。京都府生まれ。京都帝国大学文学部哲学科卒業。大阪大学名誉教授。専攻は中国哲学史。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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うちこ

3
儒教は「名教」といわれることもあるそうで、中国人の、そしてその教えを道徳教育のなかで引継いできた日本人の中にある「名」への意識について考えてみるきっかけになる本です。 漢字も言語も道徳観も中国から受け継ぎつつ、ここは日本色、という境界がジワジワ見えてくる。 この本を読んで、老子の思想にあらためて惹かれはじめています。2017/08/10

すんすけ

1
名著「菊と刀」と並び称せられる文化論の古典。読んだ時には「人間には金銭欲と名誉欲があるが、名誉欲の方が人生を詰ませやすい」という本書の主張はあまりピンとこなかった。しかし、今になってみればネット炎上の大半は名誉欲を過剰に求めたためではないか。仲間内でのマウンティングが昂じて殺人事件まで起こっている昨今の世情を見るとつくづくこの本が正しかったと思う

T

0
帯には日本人の名誉と~なんて書いてあるけれど日本人のことについては申し訳程度にしか触れておらず中国のことが主。思っていたのとは違ったけれど、知らないことについてわかりやすく説明されてて面白かったです、語られる時間のスケールが大きくって、中国ってすごく面白そうな国だなぁと思いました。2016/06/18

おつべる

0
中華における「名」の捉え方について扱った一冊。 読み終わって、今の世の中には「名」はあっても「実」の無い者、また、「名」を冠する重さを理解していない者で溢れかえっている事をより強く感じるようになった。 だからこそ、孔子の言った「必也正名乎」の意味を理解し、名(と襟)を正さなければと思う。 話は逸れるが、無神論者(というか不可知論者)が多いという日本だが、「名」に対する考え方は、中世で独自に熟成されたと言えど、今は中華のソレと大して変わらない。大多数が知らず知らずに「名教」に帰依しているのだろうか。2020/07/25

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