内容説明
雑誌や絵葉書など、日常目にするグラフィック。それらは時代や社会の支配的論理とシステムを内包している。そしてグラフィックにひそむ「力」は、その形式という抽象性によってイデオロギー的対立をも越えて、世界を覆ってゆく―。生産と所有をめぐる闘争の世紀を現出した「近代」というシステムと、我々を支配する図像の「力」を探る好著。
目次
肖像のフェティシズム―『週刊朝日』の表紙
戦争のグラフィズム―対外宣伝雑誌『FRONT』のデザイン
制度化されたまなざし―初期の絵葉書
つくられた「子どもの国」―「少年探偵団」と『赤い鳥』
「団欒」の空間―文化住宅の間取り
父の肖像―キヨソーネの「御真影」
ハイテック・アートの現在
シンボルとしての「自由の女神」
消費されるテレビの映像