内容説明
師プラトンをはじめとする先哲の諸研究を総括・批判し、独自の思索を縦横に展開した本書は、心について論じた歴史上最初の書物である。難解なことでも知られるこの書の翻訳に、気鋭の哲学者が挑戦。分かりやすさ・読みやすさを主眼に訳出し、理解を深めるため懇切かつ詳細な訳注と解説を付した。アリストテレス哲学の精髄、新訳で文庫界に初登場。
目次
心についての探究法と、それに関連する諸問題
心についての先人たちの見解
心を運動するものとする説の批判
心を調和とする説、心を自己自身を動かす数とする説の批判
心を自己自身を動かす数とする説、諸元素から成るものとする説、万物に内在するとする説の批判
心の一般的な定義
原因としての心の定義
心の諸能力と種に固有な定義の与え方
栄養摂取能力、生殖能力
感覚について論じるための重要な術語〔ほか〕