内容説明
本書ではノルマンジー上陸作戦決定を巡る米英の対立から、米軍総司令官として赴任した中国戦線での毛沢東・周恩来との激論、蒋介石付参謀長として手腕を発揮した対日反攻作戦の内幕までを全告白。ヒトラー暗殺未遂事件や、暗号解読により予知されていた真珠湾攻撃など、歴史の闇にも光を当てる。連合軍参謀として活躍した米将軍が、自らの体験から第二次大戦の真実を明らかにした貴重な回想録。
目次
ヨーロッパ要塞の下腹をねらえ
ノルマンジー作戦の決定
ビルマ奪還計画
中国戦線におもむく
暗躍する共産主義者
中国戦線の反攻作戦
中国の戦後処理
混迷する対中国政策
米国ついに中国政策を誤る
第二次大戦に勝者なし
結び
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hdo obata
8
漸く読了した。なぜかくも時間がかかったのか?読み進めるのにいつも軽いいらだちを覚えていたからだ。そりゃそうだ対日戦争指揮したアメリカの将軍だもの。極めつきの善人、育ちが良く、信心深く、慎ましやかで、聡明軍人と言うより大学教授のほうが似合いそう。アメリカはスパイダーマンかバットマンか?ゲーム感覚で参戦、極悪非道のナチスと戦うソ連を支援、極東では日本に侵略されている国府を支援、圧倒的な兵站能力、情報能力で、戦術、戦略など不要で戦争できるでしょう。これは僻目か?。2019/06/13
ソノダケン
1
スターリングラード戦以降は楽勝ムードなのが、当時のアメリカのすごいところ。「全人類を解放するための戦い」などと言い切る青臭さも、いまの米国にない美点だ。著者は蔣介石付参謀長として中国戦線に赴任。日本軍に抵抗せず、フランスみたいにさっさと降伏していれば、戦後の中国の運命はマシだったろうと語る。また日本のとるべき戦略はウラジオストク攻撃だった、などの指摘も興味ぶかい。人類が後にも先にも経験したことのない巨大なイベントを、数々の壁にぶち当たりながらも、なんとか始末をつける采配の一部始終が記録されており感動的。2014/12/29
くらーく
0
あー、読み応えあり。読みにくい、でも止められない。ダイジェスト版を作って欲しいな。 現代から見れば、なぜ英米露中なのか不思議でしかないのだが、当時の戦争遂行者の考えや感情では、露中(共産党)より、日独伊(独裁)だった。歴史にifは無いけれど、日本がもう少し戦略的に動ければ、今頃は。。。などと妄想しながら。2015/11/14