内容説明
対人緊張、赤面恐怖、蒼面恐怖、表情恐怖、態度恐怖、醜貌恐怖、視線恐怖。これらのすべて、進行段階に応じた対人恐怖の中核的症状であり、病状変遷の出発点となるのは「羞恥」する心である。この病いは、諸外国にくらべ日本に目立って多くみられる。対人恐怖という神経症の底に横たわる「羞恥の構造」を解き明かし、「羞恥」を手がかりに日本人の心性や文化のありようまでをも探った異色の精神病理学。
目次
第1章 対人恐怖の精神病理学序説(対人恐怖の臨床像;対人恐怖の精神病理学序論)
第2章 羞恥の構造(羞恥の病理;羞恥の構造;その他の羞恥論の批判的考察)
第3章 罪の構造(罪の病理;罪の構造)
第4章 羞恥の文化(和辻哲郎とサルトル;日本文化論)