講談社学術文庫<br> 天使論序説

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講談社学術文庫
天使論序説

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  • サイズ 文庫判/ページ数 194p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061592322
  • NDC分類 191.5
  • Cコード C0116

内容説明

天使とはなにか、天使というものは本当に実在するのだろうか。西洋の長い思想の歴史の中で、二千年以上に及ぶ長い期間、多くの優れた思想家が天使について様々な探究と思索を行なってきた。本書は、天使を神話やメルヘンの世界の想像力の対象としてのみならず思想史の流れに立ち返り、学問的研究の対象として捉えることによって、現代人の自己実現と認識が図れると説く卓越した書き下ろし天使論。

目次

序章 天使とわれわれ
第1章 天使の研究
第2章 天使の存在
第3章 天使の知
第4章 天使の言語
第5章 天使の愛
第6章 天使の罪
第7章 天使の社会

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gorgeanalogue

10
思考実験としての神学的哲学、とでも言ったらよいか。ただし、穏当な啓蒙書として、いわばユマニスムとの調整をしなければならず、なんとなく迫力がないというきらいがあるかな。その意味で結論は凡庸にも見える。終章「天使の社会」におけるペルソナの議論が三位一体論につながる箇所は面白かった。2021/11/07

午後

3
第6章「天使の罪」が面白い。悪魔は堕落した天使であるとされるが、高次の知的存在であり、肉体を持たず、神に向かって秩序づけられているはずの天使がなぜ罪を犯すことができるのか、という問いを、罪とは何か、悪とは何かを突き詰めていくことによって解きほぐしていく。第7章の、天使の間になぜ位階や階層が存在すると考えられたのか(ex.偽ディオニシウス、大グレゴリウス、トマス・アクィナス、ダンテ等)、という疑問に対する説明が勉強になった。2021/10/10

wadafumiya

3
哲学と神学の区別は難しい。神学じゃない、とはいうが、どうにも護教的な匂いがつきまとう。「身体なき精神」=天使という定義に沿って議論は進んでいくがキリスト教に対して一定の距離を取れないと勝手な議論に聞こえるかもしれない。昔から論争ばかりしてるせいなのか、上から目線なんですよね。2011/05/24

秦野弘之

3
身体なき精神としての天使についての学究は、精神なき身体である動物についての学究と同じく、身体ある精神である人間研究でもある、という立場。引き出される人間観がもっとラジカルだったら超面白かったのに、などと。2010/09/20

Masa03

1
評価がわかれるな。。。 天使とは如何なる存在か。人間とは異なり、純粋に精神的存在で、であるが故に肉体の欲望や肉体を維持するための活動を不要とする存在。として考察することで、人間とは如何に在るべきかを考察する本。 哲学的ですが、人間との比較対象が想像上の天使であるが故に空論を弄んでいるような気がしてしまうのがむずかしいところ。 とはいえ、猿と人間の比較で人間とは何かを考えることができるなら、人間…(ブクレコからインポート、全文はコメントに掲載されています)2015/02/09

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