出版社内容情報
【内容紹介】
名著『日本文藝史』に先行して執筆された本書において、著者は「雅」と「俗」の交錯によって各時代の芸術が形成されたとする独創的な表現意識史観を提唱した。俳諧連歌の第一句である発句と、子規による革新以後の俳句を同列に論じることの誤りをただし、俳諧と俳句の本質的な差を、文学史の流れを見すえた鋭い史眼で明らかにする。俳句鑑賞に新機軸を拓き、俳句史はこの1冊で十分と絶賛された不朽の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
零水亭
38
俳句は旺文社文庫「奥の細道他」以外は「風俗文選」(芭蕉の門人、森川許六が編集した俳文集)、三好達治「風詠十二月」の二冊の俳句の部分しか読んだことがありませんでしたが、高校学参でお世話になった(?)小西甚一先生の著で、ブックオフで安く売っていたので購入しました。学参と同じく読みやすかったです。 松永貞徳、西山宗因、井原西鶴の俳句は初めて読みました。高濱虛子の俳句も初めてでした💦2022/01/11
蛸墨雄
6
丸二ヶ月ほどかかった。大層ためになったが、吟詠には活かされない感じ。ただ、俳句というものの色々な意味でのスケールの大きさが学べた。歴史、嗜んでいる人々の数(有史以降)等など。今年は俳句関連の本を読み、初心に帰って吟詠していくことを初句会で宣言したのでこの本は絶対外せないと思って、実は我慢して読んだ(人の名前に振り仮名がなくたいそう辛い)。ただ、光り輝く俳人たちの紹介がふんだんにされており、彼らの句を今後は嗜みたいと思う。2023/01/22
EnJoeToh
6
ジャック・ルーボーは小西甚一を読んでたのか。2012/07/13
kenitirokikuti
5
図書館にて。一九五二年初版、一九八一年改訂版、講談社学術文庫版が1995年。文庫版あとがきから〈いまの日本における文学研究は、一九七〇年代から流行しだした構造主義、およびその批判を加味したポスト構造主義がまだ全盛のごとく見受けられる。〉また、パウンドが芭蕉の「配合」の技法から発見した「重置法 super-position」を英詩に応用したのが、イマジズム運動の重要な景気となった、と改訂版の「再追加の章」にある。前衛絵画のように思想ではないものを表現するやり方が西洋詩になかった、と2022/07/31
EnJoeToh
3
読み直し。2016/07/22