内容説明
バブル崩壊後の大正末期の日本経済を分析し、「銀行と信用」の章では、中央銀行がその目的を完遂するには政府の干渉から独立した執行機関が必要と指摘した。さらに、資本家の貯蓄にかわって政府が財政収入を公共事業に投資し、富の管理者になったとする「富の保存および増殖」など、秀れた先見性と今も通用する経済の原則を展開する。
目次
一国の繁栄と自然
現代経済組織の基本
需要供給の無意識調節
需要供給の意識的調節
富の保存および増殖
貨幣現象
銀行と信用
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
筑紫の國造
10
日本でのエコノミストのパイオニア的存在の一人である、高橋亀吉の処女作。「実際知識」とあるように、単に抽象的な理論に走るのではなく、一般の国民にも分かりやすいように具体例を豊富に上げながら、歯切れよく解説していく。その点で、自分のような経済音痴にもかなり分かりやすいと思う。さすがに、名高いエコノミストの著作だけある。大正末期に書かれたという時代性を考えながら読めば、歴史を見る上でも有益だろう。ただし、後半になるとやはり難しいところもあり、ちょっと自分の理解が追いつかない部分があった。2024/01/31
晴れたそ。
0
外国為替相場の箇所は再読したい。2014/05/02
M.M
0
面白いけれど、文章堅すぎ。2008/06/28