内容説明
現代歌壇の鬼才が放つ茂吉秀歌鑑賞。
目次
「赤光」解題
「赤光」百首
跋―茂吉啓明
収録歌一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
54
師・左千夫の訃報に接し、島木赤彦宅に走った際の《氷きるをとこの口のたばこの火赤かりければ見て走りたり》について、塚本は「採氷人夫」や「煙草火」を選び取った才を称え、単なる写生ではないという。写生写生と言い続けた茂吉だが、なるほど写生で片付けられない歌も沢山あるようだ。それとどう関わるのか判らないが、本書を読むうちに茂吉と万葉の関わりを色々考えた。例えば上述の歌では、k音の多用から「ささなみの志賀の辛崎さきくあれど」や「かへり見すれば月かたぶきぬ」等の万葉歌を思い出す。茂吉の写生の謎は深く、興味は尽きない。2014/10/16
harass
1
斎藤茂吉の『赤光』の句を自由に鑑賞していく本。塚本邦雄の博識と文学的センスあるいは妄想に目がくらむ。あまりの濃度に「読んだ本」に入れていいのか躊躇する。
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- 和書
- 劇作百花 〈第1巻〉