内容説明
原始社会における権威保持の目的から発生した、貴人の実名を敬避する「忌み名」は、ある種の行為を忌み避けるという古代社会におけるタブーの1種であり、人類学上の普遍的現象である。忌み名習俗は我国固有のものではないとした本居宣長以来の定説に対し、多数の事例をあげて批判を試みた壮大な実証的研究。大正期に帝国学士院長、枢密院議長の要職を歴任した法学者が絶筆として遺した先駆的名著。
目次
1 諱に関する疑い
2 消極観(先人の説;支証)
3 積極観(美称;避称;御子代・御名代;習俗と名称;「記・紀」所載の古歌;習俗と礼制)
4 比較観(諱と「タブー」;実名敬避俗;複名俗)
5 概括観