内容説明
本巻では、巻19の欽明天皇から巻30の持統天皇までの、大和朝廷が中央集権的な律令国家を完成してゆく波乱にみちた時代を描く。聖徳太子の17条憲法や大化改新、白村江の戦い、壬申の乱など歴史上よく知られている出来事が「古事記」と並んで古代史資料の原典ともいうべき本書「日本書紀」に記録性豊かにいきいきと叙述されている。国造りにかけた古代日本人の姿を、明解な現代語訳で鮮かに蘇らせた古代史研究の必携書である。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レアル
63
下巻は上巻と比べて遙かに理解しやすい「人の世の世界」が描かれている。日本書紀は中国の書物や朝鮮の資料を基にして編纂されいるため、国史を無視しているという批判もあるようだが、一読の価値はある歴史書。では日本の名著シリーズ第1巻の「日本書記」を楽しむとするかな。。2015/01/04
優希
44
十七条憲法、大化の改新、壬申の乱など。政治の基盤を作ろうとした時代。国造りにかける情熱がロマンです。2023/12/05
佐島楓
41
通読だけでは分析が困難なので、ほかの文献にもあたる必要がある。どういう切り口でレポートを書こうかな・・・。2016/05/27
レアル
36
総論的な内容をきちんと整理したくて読んでいる『日本書紀』。人世の世界で下巻は幾分読み易いが、登場人物の数が多くて神様とは違った人の相関関係に理解が追い付かないのが私の悩み。『古事記』と違って『日本書紀』は持統天皇まで。また隣国の朝鮮半島の情勢も読んでいて楽しい。これで『古事記』『日本書紀』を読み終えた。次は『続日本紀』を読む。2023/10/20
マウリツィウス
17
【『日本書紀』×『古事記』×目録集】「古典主義」「一神教」主題を内包した古典文明史遺産を『日本書紀』と定義呼称、古典叙事詩論を更新する。つまり古代日本を「列島」、古典主義の残影に走り抜けた古典統治は史実における記録を踏襲している。古典主義/現代思想を予期批判成立させられる論文根拠を起源史に再編成、英文学への反旗を翻す。古典と統治と絶対権威、「古代=古典=過去記録」とするのならば「文学」呼称を日本書紀は潜り抜けている。英文学×古典主義、仏文学×現代思想、その普遍連鎖を打ち破れる。:古典主義系譜学を連続導入へ