内容説明
『菜根譚』は今から三百数十年前、中国明代の洪自誠が人間いかに生くべきかを、様々な角度から論じた人生指南の書である。本書は、「儒・仏・道」の三教を根幹とする『菜根譚』の真髄を体得して日常生活の指針とするため、儒・道教の専門家と仏教、特に禅学を専攻する学者の2人が、長年に亙り原典を全面的に見直し、これを究明し、その成果を新たに書き下ろしたものである。現世を生きぬく知恵と処世の極意が満載された必読の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あーさん☆転スラ·薬屋·本好き·魔導具師ダリヤ続々アニメ最高です!!(≧▽≦)
54
根気がいるが、勉強嫌いが読むと投げ出したくなる本(¯―¯٥)2020/08/30
かわうそ
43
『逆境の内に居らば、周身皆鍼砭薬石にして、節を砥ぎ行いを礪くも、而も覚らず。順境の内に処らば、満前尽く兵刄戈矛にして、膏を銷かし骨を靡らすも、而も知らず。』P138 逆境が気を養い、そして徳を育てる。一方で順境は気付かぬ内に精神をすり減らされているのでよく注意して生きなければなりませんね。佐藤一斎も「逆境の中に順境があり、順境の中に逆境がある」と語っています。世の中というのは往々にして逆説でできている場合があります。それはコインのように表と裏があるからであり、極と極は決して切り離せない故なのだと思います。2023/03/15
Tai
15
(前集より)5忠言と甘言を聞き分ける8忙中に閑、閑中に忙の心を21家族団欒の中に道は実現している22静中にも動を秘めて40欲望に流されず、道理を守って44大所高所から世の中を見る85窮地にあっても心は高潔に91天命を超克する97和気藹々とした家庭108有生の楽しみと虚生の憂い121人の欠点に対処する方法134肉親の情愛と道理148滅びるものと滅びないもの203満ちれば欠ける道理204すべて冷静に対処する215読書と観察の要諦2021/06/27
Sachi
13
書き下し分、本文、語義、口語訳の順で載っていてどこから読んでも良い。会社の机において少しずつ読みましたが、心に静けさを与えてくれたり、戒めてくれたりしました。ずっとそばに置いておきたいするめ的な本です。心に要らないものが溜まってきたらすっと手放せるように、人生の落とし穴にはまらない為にどうすればよいのか等の処世術、自然体でいいんだよっていいながらも厳しい内容だったり、人生のバイブルですね。何度も繰り返し読みたいです。2015/08/28
ヒロミ
9
とても興味深く読んだ。中国古典の啓蒙書はリアリズムというか非情なものが多い気がしていたが、菜根譚は厳しくも優しい懐深さを感じる。ただ、訳文はそこまでこなれていないので、読んだ後じっくり考えるといいと思う。疲れた時に読むと癒される。2014/12/23