出版社内容情報
【内容紹介】
「日本古代史は、朝鮮との関係史である」とは、古代史研究家・金達寿の主張しつづけてきたことばである。本書は、地名や古墳・神社などを手がかりに日本各地に現存する古代朝鮮遺跡の発掘に執念を燃やしてきた著者がこれらの事実と、記・紀などに残された高句麗・百済・新羅系渡来人の足跡をはじめ、豊富な文献資料などから「帰化人史観」によってゆがめられた歴史記述を痛烈に批判し、真の日本古代史への道を開示したものである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中年サラリーマン
19
著者は古代日本の帰化人に注目する。そして大和朝廷の誕生から大化の改新、そして壬申の乱以降も日本列島の政治の権力争いというのは日本に来た新羅系、百済系、高句麗系の権力闘争によるものだという大胆な説をとなえる。大胆な説で面白いが全て朝鮮列島から逃れてきた人たちの政治闘争で日本ができたってのはちょっと飛躍しすぎな気がする。ただ本書の出版が古く戦後のいわゆる社会主義的な香りがぷんぷんする筆致ということからも当時の説としては画期的なものだったと思われる。2014/05/02
たわらばし
1
まあ全く無関係ではないんだろうけど。著者が自分の故郷を誇示したいだけなんじゃないかと邪推してしまう。何でもかんでも「朝鮮から来た!」と書かれてもな。中国からの経由地でしかなかった可能性だってあるんだし。 結局、途中で挫折してしまった。もうすこし中庸な視点が欲しい。まあ全く無関係ではないんだろうけど(二回目)。2018/10/28
ぱらっぱ
1
「渡来人」と「帰化人」の区別、日本という国家が確立していない時期には「帰化人」という表現は誤りだとい主張は理解できるもののその事にこだわり過ぎる。新羅、高麗系の確執など書かれているものの具体的な記述がなく、だからどうなのと思ってしまう。奈良時代の偉人行基の伝記は素晴らしいものだが半島からの渡来人というのをことさら強調されると、なにか索然たる思いになる。2013/03/28
Kiyoshi Ohshima
0
地名や神話の由来に大きく影響している朝鮮半島との関係が詳しく記され、ふだんの景色がまた違って見える本。大阪と博多を往復する身としては寄り道のネタが尽きない^^;2016/10/05