出版社内容情報
【内容紹介】
治承4年6月、清盛は、福原への遷都を断行、8月、伊豆に頼朝が挙兵したとの報が、早馬によって福原へ伝えられる。頼朝の挙兵は、超人的な天性不敵の怪僧文覚(もんがく)のすすめによるものとして、頼朝と文覚の出会いにいたる挿話が語られる。頼朝追討の平家の大軍が、富士川で戦わずして敗走し、以仁王に加担した南都が、清盛の命によって攻められ、東大寺・興福寺が焼失するなど、大事件が連続するなかで、治承四年が劇的に暮れていった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
58
福原遷都後の物の怪騒動にただ一人動じることのない清盛と、怯える一族の者たちの態度の違いが、清盛亡き後の平家の行く末の暗さを予見させる。東国の頼朝挙兵に尽力する文覚は、『平家物語』の隠れた主要人物で、彼は、この乱世にのみ存在しうる怪僧だったようだ。そして、平家があまりにも見苦しい負け方をした富士川の戦い。物の怪に動じない清盛の姿と、鳥の羽音に怯えて逃げた孫維盛のなんという違いであることか。清盛、重盛と肝の据わった武人だったのに、孫になるとこうも無様になってしまうとは。2017/09/04
O. M.
2
本書では、源頼朝の挙兵、富士川の戦い、興福寺・東大寺炎上と勢いある展開。2016/03/13
じめる
1
文覚が強い2014/01/07
和沙
1
「文覚被流」が好き。この狂信者というか悪僧っぷりは、いっそすがすがしい。周囲は大迷惑だけど。2010/04/16