講談社学術文庫<br> 平家物語 〈巻第2〉

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講談社学術文庫
平家物語 〈巻第2〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 280p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061583528
  • NDC分類 913.434

出版社内容情報

【内容紹介】
院庁と山門の紛争は、天台座主明雲の流罪へと発展したが、大衆は憤激して奪還してしまう。やがて鹿ヶ谷の謀議は行綱の密告によって露見し、主謀者成親や西光はたちまち処断される。激怒する清盛と、これを諌める重盛、そのあざやかな対比のなかで、栄華の座のゆるぎはじめた平家一門は権勢の維持をはかって、反平家の企てにくみした俊寛らを鬼界ケ島に流すが、対立、抗争は寺院の内部にも起り、時代全体の末期的様相が語られる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

55
鹿ケ谷の陰謀の露見から首謀者捕縛までの緊迫感。そのあと清盛をいさめる重盛の、公には忠、親には孝のはざまにあって苦悩する様が、この巻の読みどころ。また、道義をもっていさめる息子重盛と、情によっていさめる弟教盛との描き分けも巧みだ。重盛の早すぎる死から、彼を徹底的に理想化した作者の意図は、この重盛の苦悩の段で見事なまでの効果をあげている。ただ嘆くだけでなく、自分のもとに武者を集め自分の力のほどを父に見せつけるなど、武人重盛の力量も見て取れて、彼の早死にが本当に惜しまれる。(この巻では、まだ死んではいない)2017/08/25

めっちー

1
山門の責任者の処罰から康頼の配流先からの帰還まで扱う。重盛が平家滅亡を企てた成親と成経親子の減刑を求める所が印象的だ。清盛は横暴な人間だが、自分が信仰する厳島神社に参拝に行った藤原重兼を出世させたり、帰還したい為に卒塔婆に句を書いて流した康頼の願いを聞き入れたりと、脇が甘いというか情にもろい一面もある。貴人達は世を儚むと本当にみな出家する。諸行無常なのは人々だけでなく仏法も同じである。武装集団でもあった延暦寺の僧達の血気盛んな様は読んでるこちらも恐ろしくなり、後に信長に攻め滅ぼされるのも納得する所がある。2023/02/26

O. M.

1
本巻の山場は、平清盛をいさめる平重盛の演説。二巻目まで読み進めて、叙事的ではなく抒情的な平家物語の語りの特徴が分かってきたような気がします。2015/09/20

じめる

0
鬼界が島の挿話を蘇武の挿話でまとめる構成、文体が綺麗すぎる。あと山門滅亡が良い。2013/11/16

るい

0
登場人物が多いし、役職名で呼ばれるため誰が誰なのかこんがらがりつつ読了。小競り合いはあるものの、本格的な戦はまだ先のよう。しかし昔は簡単に仏門に帰依してしまうのね。誰それが亡くなったから。世を儚んだから。庶民じゃこんな理由で出家はしないだろうに。貴族の特権の一つのように思ったのです。2010/10/12

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