講談社学術文庫<br> 資本主義の文化的矛盾 〈下〉

講談社学術文庫
資本主義の文化的矛盾 〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 277p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061580862
  • NDC分類 304
  • Cコード C0136

出版社内容情報

【内容紹介】
公共家族(パブリック・ハウスホールド)という言葉が、本書で初めて日本に紹介される。それは、今までの経済学や社会学が、個人と企業を中心に考えてきて、真剣にとりくむことのなかった第三の部門である。それはまさに脱工業化社会の中心領域である。日本でも、企業エゴ、住民エゴ、地域エゴ等と呼ばれる状況が生じてきた。争い合う権利要求のため、政治は立ち往生している。この現代的な問題を解決するのが、公共家族の理念なのである。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かわうそ

27
ブルジョア経済は政治と経済を分裂させたが、公共家族は政治と経済を統一しようとする動きがあります。しかし、ベルの主張する公共家族の核心は「適正な」という曖昧な言葉にて集約され、さらに、ベルはある程度の差別は必要であるとして差別を容認しますわ例えば、結果の平等を絶対視するあまりにある人達の自由を阻害することをベルは良く思っていないです。そこには適正な差別の原則があるべきだと論を展開されるのである。確かなことは快楽主義を否定し、政治的自由主義は守っていかなければならないことでしょう。虚無主義の果ては快楽主義です2022/09/07

榊宏

0
経済と政治と文化が乖離してしまってる。その分析は丁寧に冗長とも思えるほど紆曲しながら各年代の時流に沿ってなされておりとても参考になる。しかしその結論は、宗教の復権とか、経済学政治学社会学に共通の概念として「公共家族」が必要であるという凡庸なもの… 500人くらいに及ぶ恐ろしいほどの引用の多さから、読書リストとして、芸術の手引きとしては良いかもしれない…2014/03/05

Jimmy

0
上中下3巻で4ヶ月ぐらいかかってしまった。文章は割りと平易で、大学中にこの本に出会っていたら、社会学の良い入門編になったのに、と悔やまれる程、現代の思想史・経済史・社会学史を串刺しにした評論。あまりに概論過ぎて、あんまり参考にはならなかったけど、部分的にはチョコチョコとはメモを取りたくなるような記述があった。2010/02/17

Sumiyuki

0
第六章Ⅰ〈5〉はおもしろい。宗教の話が消えて、公共家族が出てきたのは少し違和感。まぁ理念という点では同じか。筆者の提言のキーワードは、宗教、公共家族、自律的な人間みたい。2012/01/03

人民の指導者

0
最終的な落とし所は「公共家族」という穏健なもの。「文化」の近代主義性を中和し、「技術−経済構造」を持続可能たらしめる倫理性、ある種の共和主義を保つための公共哲学が語られる。宗教の話といい、これは実に新保守主義(≠ネオコン)のドクトリン本だ。だが、理論的基盤がしっかりしているので、決してつまらないイデオロギー本ではない。2011/06/14

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