講談社学術文庫<br> 思索と経験をめぐって

講談社学術文庫
思索と経験をめぐって

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  • サイズ 文庫判/ページ数 212p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061580527
  • NDC分類 914.6

出版社内容情報

【内容紹介】
森有正氏がデカルト、パスカルの探究のためパリにおもむいて既に四半世紀を経た。この間、経験ということばは、氏にとってつねに発想の原点であった。氏は経験と体験のちがいから出発して、1人の人間を定義するものは、各個人の経験にほかならないと考える。本書には、この森有正氏の思想に近づくためのキーワード“経験”の真の意味をわれわれに解き明かしてくれる代表作「霧の朝」「変貌」「木々は光を浴びて」のほか、2篇を収めた。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

amanon

2
書簡という形をとっていないとはいえ、先に読んだ『バビロンの〜』と趣を同じくしたエッセイ集と言っていいと思う。ただ、時代がかなり下っているので、著者の物の考え方や捉え方にある程度の変化は見られるが。後、レヴィ・ストロースに言及しているのが興味深かった。この著作もかなりの濃密さをもったものなので、ちょっとやそっとの読みでは太刀打ちできない頑強さがある。正直言って、どれだけ自分がその内容を理解できたか、かなり自信がない。ただ最後に収録された講演での「日本には『あなた』がない」という主張には、考えさせられた。2012/04/15

れもん

1
★★★★2016/08/12

左手爆弾

1
極めて合理的で思索深い筆者が、経験の重要性を説く。体験と経験とを混同してはいけない。体験はどんな人間でも機械的に増大していくが、経験はそうではない。また、自由とか人権とかいう理念も思索によって得られるが、それが内実を持つためには思索だけではいけない。自己の生活の中で得られた経験が発展し、深まることによってしか真に定義されることはない。ただし、経験は人為的・計画的に作ることが出来ない。体験はよい方向へともたらされることもあるが、経験はただ変貌をとげていくだけである。2015/05/20

kitaji

0
経験と体験によって変貌.自分の実になるかどうか 1つの経験からいくつもの事を学ぶみたいな2012/07/11

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