出版社内容情報
【内容紹介】
ノーベル物理学賞に輝く著者がユーモアをまじえながら平明な文章で説く、科学入門の名篇「鏡のなかの物理学」「素粒子は粒子であるか」「光子の裁判」を収録。“鏡のなかの世界と現実の世界との関係”という日常的な現象をとおして、最も基本的な自然法則や科学することの意義が語られる。また量子的粒子「波乃(なみの)光子」を被告とした裁判劇は、わかりやすく量子力学の本質を解き明したノン・フィクションの傑作として、読者に深い感銘を与える。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
弥勒
13
大雑把ではあるが浅学な私には大変わかりやすく、また、面白かった。何よりも、私は科学というものが必要悪だと思っており避けていたが、やはりしっかりとその必要悪の存在をしっかりと理解しようと思ったので、読んだが、純粋な学問として学ぶとすごく面白いことがわかった。そんな、価値の転換らしきものをもたらしてくれた本書には感謝感謝(*^^*)2015/08/31
dowalf
12
ノーベル物理学賞を受賞した著者による、量子力学の入門書。素粒子とはいったいどのような特性を持つものなのか、分かりやすい例を挙げながら書かれており、これまで物理学とは縁遠い世界で生きてきた私にも、光子などの素粒子がどんなものなのかうっすら理解した気になれます。一般的な日常生活と関係が薄そうに見える物理学の視点からだからこそ、科学することの意義が語られる部分に説得力を感じました。2020/12/13
ふみふみ
8
ノーベル物理学者の著者が平明な文章で説く科学入門の名編という本書ですが、私にはなんか回りくどくてよくわかりませんでした。映画「テネット」を観てから時間逆行のモチーフにずっと興味がある私にちょっと刺さったのは「鏡の中の物理学」中の、力学の現象は時間を逆さまにしても成り立つけど、熱力学は原理的に無理という話で、それができちゃった未来があの映画だったなあと。光の二重スリット実験は有名なんで「光子の裁判」は今更感がありました。2023/11/22
roughfractus02
8
鏡の中の世界は現実とは異なるゆえに、その規則を知る必要がある。著者は寓話的語り口で、読者をアリスの立場に立たせ、物理学の世界とその奇妙な法則へと誘う。本書では、身近なものから対称性(C対称、P対称、T対称)の世界、つまり現実と対称をなすようなイメージで鏡の世界に入り(「鏡の中の物理学」)、世帯ベクトルを電光ニュースを用いて概説し(「素粒子は粒子であるか」)、二重スリット実験による光子の奇妙な振る舞いを裁判仕立てで物語る(「光子の裁判」)。こうして読者は、自分が現実と考えるものも自然の鏡であることに気づく。2022/04/12
ノベツ
8
光の挙動、意味分かんないな…。2019/09/09