内容説明
初心者にも楽しくゼロからエントロピーを学べるように、難しそうな専門用語は、なるべく持ち出さないよう心掛けた。ためしに、「エントロピー増大の法則」という言葉を「エントロピーは増えまっせ」と日常の言葉で言い換えてみよう。少しは気楽になっただろうか。予備知識は「運動エネルギーの公式E=1/2mv2」くらいしか使っていない。エントロピーの考え方だけを先に知りたい場合には、数式を眺めるだけで先へ先へ読み進むのも1つの手だ。少し込み入ってるかな?と思う数式には少し背伸びマークをつけておいたので、適当に読み飛ばしてもいい。どんなに簡単な数式でも、授業や自習時に延々と目にし続けると眠たくなって来るので、眠気覚ましのために―時として眠気を誘うために―赤い男と正体不明の学生が登場する地中海の旅物語を散りばめてみた。この2人と一緒にトロピカルなひと時を過ごす内に、自然とエントロピーに慣れ親しむことだろう。
目次
第1章 エントロピーを作った男
第2章 温度という魔物
第3章 熱っぽい原子の運動
第4章 永久機関の崩壊
第5章 謎のエントロピー
第6章 ミクロから見たエントロピーの正体
第7章 アンサンブルとは何か?
第8章 億万長者を生み出す
第9章 情報はどこまで圧縮できるか
第10章 エントロピーは1つ?
著者等紹介
西野友年[ニシノトモトシ]
1964年、香川県生まれ。大阪大学理学部卒。東北大学理学部助手などを経て、現在神戸大学理学部助教授。理学博士
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