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講談社現代新書
鉄理論=地球と生命の奇跡

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061497788
  • NDC分類 436.81
  • Cコード C0240

内容説明

人類が金属の鉄を使いだしたのは、たかだか五千年前のことにすぎない。しかし元素としての鉄は、四十億年前に生命が誕生したときから、生命になくてはならないものであり、その後の生命の発展を陰で演出してきた、と言ったらみなさんは驚かれるだろうか。このいずれの鉄のはたらきも、一つの奇跡的な偶然から生み出された。鉄はすべての元素のなかでもっとも安定な原子核を持ち、その一つの帰結として、地球では質量比でもっとも多い元素である。その鉄が、その持っている電子の数のために、生命にとっても、現代文明にとっても、かけがえがない機能を持つ元素となった、という偶然である。このことが、生命の誕生と発展のなかで、またさらに人類文明の展開のなかで、数々の奇跡を起こしてきた。

目次

第1章 奇跡の誕生
第2章 生命は鉄にどのように依存しているか
第3章 鉄から見えてくる生命の歴史
第4章 鉄が人類を救うか
第5章 鉄が人類に高度な文明をもたらした
第6章 鉄から見た文明史
第7章 鉄器時代は終わらない

著者等紹介

矢田浩[ヤダヒロシ]
1935年東京生まれ。東京大学化学系大学院化学専門課程修士課程修了。工学博士。専攻は金属工学。八幡製鉄(現新日鉄)勤務後、熊本大学工学部講師、カナダブリティッシュコロンビア大学客員教授、静岡理工科大学教授を経て、同大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅわっち

8
いい本だった。鉄の考え方が広がる本です。

那由田 忠

2
 金属工学の専門家が頑張って、地球生成から生物における働きと進化、温暖化防止策、人類の文明史における鉄の貢献と関連した話を展開したもの。個々の話が概括的で不満が残る部分もあるが、鉄の意義を再確認できる。特に生物の進化などで鉄が果たした役割が面白かった。鉄の粉を南極海にばらまくと植物プランクトンが大発生し、それを食べた動物プランクトンで死んで海底に溜まって温暖化防止となるというのが「鉄理論」。2005年の本なのでその後どう展開したか知りたい。温暖化防止に関する重要な仮説と思った。2013/10/13

はるゆう

2
流し読み。鉄という金属が、生物の創生にも重要な役割を果たした、的なことが書いてあって、ちょっと驚き。有機物(でいいのか?)と配位結合して、摩訶不思議な生成物を作る。「摩訶不思議」って、自分にとってそうなだけで、見る人が見たら何とも思わないんだろうけど。2013/07/22

takao

1
ふむ2021/09/05

Saiid al-Halawi

1
歴史上の主要な文明の鉄の利用に関する変遷等、後半にいくにつれて面白さが加速。後半を面白く読み進めるためにも、前半の専門的な内容もしっかり読み進めたほうが良い。この人、『鉄の文明史』って本書いてくれないかなぁ2011/03/03

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