内容説明
庶民に愛された長谷川平蔵がなぜ町奉行になれなかったのか?松平定信の真意、ライバルたちの暗闘を寛政期の史料から読み解く。
目次
第1部 「鬼平」長谷川平蔵と好敵手たち(敵が多かった平蔵;海千山千の策士だった鬼平;田沼意次を唸らせた鬼平の機転 ほか)
中休み 「好色将軍」家斉と“乳母問題”(大変人だった一一代将軍家斉;家斉は何歳のときに側室を置いたか;不人気職だった将軍家の乳母 ほか)
第2部 森山孝盛と武士の出世(森山孝盛と「お菓子騒動」;森山孝盛の母は「教育ママ」;学問に身を助けられた森山孝盛 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
7
長谷川平蔵とその同時代の旗本達の悲喜こもごもと、森山孝盛の出世への飽くなき戦いという2本柱で田沼時代から定信時代の旗本達の昇進レースを現代サラリーマンとだぶらせつつ、という一冊.週刊現代だかの連載が元なので、やはりリーマンなおじさんに共感してもらうべく書かれているので話の種にという積りで読むといいんじゃないかな?という。よしの冊子を読みたくなってしまうのは仕方ない(w2013/06/16
四四三屋
1
人間にとって出世は大切です。魚にだって大切なのだから。そう考えるとなく子も黙る鬼平こと長谷川平藏が24時間戦い続ける日本のビジネスマンの姿が重なってしまいます。人の営み、組織というのは、ある意味普遍性がありすぎるようです。2013/01/03
いちはじめ
1
寛政期の旗本・御家人の制度を鬼平こと長谷川平蔵の例などを挙げつつ解説。中身は濃いがタイトルのあざとさはもう少しなんとかならんものか?2002/07/01
うさを
0
江戸後期の官僚社会を、火付盗賊改の鬼平こと長谷川平蔵と長谷川の後任になった森山孝盛を軸に描く。時は田沼時代から寛政改革期。政治の大方針や人事の指針が大きく揺れ動いた時代を生きた中級(?)官僚たちの悲喜交々の出世競争。別に競争してるわけではないけど、どこか共感を覚えてしまう。2021/02/22