講談社現代新書<br> 民族とは何か

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講談社現代新書
民族とは何か

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  • サイズ 新書判/ページ数 230p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061495791
  • NDC分類 316.8
  • Cコード C0230

内容説明

なぜ「民族」が地球上に成立し、しかも現代世界を読み解く上で欠かせない要素なのか。聖書の世界からヨーロッパの成立、現在の紛争までを明確に見通す。

目次

第1章 「民族」という厄介な言葉
第2章 民族と民族主義についてのさまざまな見解
第3章 最初の民族国家―英国
第4章 ヘブライ人―範例的民族
第5章 民族になることの困難さ―フランス革命
第6章 民族になることの不可能性―ドイツの場合
第7章 二十世紀―民族の世紀
第8章 ロゴスとミメーシス
第9章 日本人は民族たりうるか

著者等紹介

関曠野[セキヒロノ]
1944年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。共同通信記者を経て、1980年より文筆業に専念。専門は思想史、教育論
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

17
世界史をきっちりおさえないと、この問題は理解できないと痛感。聖書(宗教改革)についても同じく。そうでなくとも難解な部類に入ると思われる新書。再読できればと思う。2012/08/29

Kazuo

5
民族主義と人種主義を明確に峻別した上で、論考を進めている。民族主義については、完全な「ネガティブ」という評価をしていない。なぜならば、民族主義には、「その民族内での平等」という思想が含まれるからである。その意味で、著者はナチ政権は、人種主義であったが、民族主義では無かったと考える。ゲルナー、アンダーソン、ボブズボウムを読んで、後に本書を読むと理解が進む。民族主義/人種主義をいかにうまく統制できるか、ということは現在を生きるの我々の切実な課題である。2014/08/12

リョウ

5
新書の割には予想外に難しかった。民族という言葉は当たり前のように使っているけど、何を指すのかは考えてみると意外に難しい。それぞれの国によって意味合いが違うし、きちんと理解するためには今のことだけじゃなくて歴史までちゃんと分からなければ議論ができない。それだけ単純化が難しいもののようだ。2012/10/13

Mealla0v0

2
「民族とは何か」。この問いに答えるために、筆者は古代イスラエルまで遡る。モーセによって連れられ「出エジプト」を果たした者達こそが、ネーションのはじまりだった。近代英国がこの偶然なるシステムを模倣し、周辺国が模倣し、世界中に広がった。▼おもしろい論点である。安易に頷くことはむろんできないが、検討すべき要点を提出している点で読むべき一冊。

Moriya Mononobeno

2
民族をキーワードに歴史、政治を解釈する手法に目からうろこが落ちた。筆者の言う民族とは「言語・歴史・文化を共有する存在」であって人種のことではない。民族とは外圧などで作られるものである。日本人は民族なのか問われれば言語はともかく歴史・文化に関してはそれほど執着しないので民族としての団結は薄い。また、今のアラブの状況、ネットを使って喧伝するイスラム国などを15年前に予想しているのがすばらしい。彼の切り口が間違ってはいない証拠ではないだろうか。「ネットが人類の思考を画一化するどころが様々な民族主義を生み出す」2015/04/24

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