講談社現代新書<br> 迷宮学入門

  • ポイントキャンペーン

講談社現代新書
迷宮学入門

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 228p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061495326
  • NDC分類 520.2
  • Cコード C0270

内容説明

迷宮と迷路はどう違うのか。古代クレタの迷宮神話に秘められた「死と再生」の意味するものとは。歴史の闇に潜む迷宮の謎に迫る。

目次

第1章 クレタの大迷宮と迷宮神話
第2章 迷宮の原理
第3章 古代地中海世界の大迷宮
第4章 トロイア遊戯とローマ帝国時代のモザイク迷宮
第5章 ヨーロッパ中世と迷宮の世界
第6章 ルネサンスと人文主義
第7章 華麗なる庭園迷宮の世界
第8章 アジア、アメリカ世界の迷宮表像

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

45
クレタ島に始まり、世界に遺跡が散在する迷宮とは、曲がりくねっていてもどんどん進めば中心に達する。迷宮とは迷路ではない。この本は迷路が、本来儀礼的・宗教的意味があった迷宮の遊戯化・世俗化であり、紙上の遊びとは別物だと解く。本には書いていないが、迷路は出口から外へ出るのが目的だから、中心を目指す迷宮とは全くちがう、とも言えるのではないだろうか。2017/05/06

マウリツィウス

24
《迷宮学と技巧集》-技術的に不可能とされたのではなく「許可導入」された《迷宮》訳語はドイツ語選集に含められるもケレーニイ以降にもユングやエリアーデからも連想可能だ。従って古代ユダヤ教カバラ起源ではなく神秘主義起源、古典古代ギリシャ文明史論を英文学論考に求める。その語彙集はアリストテレス/ニーチェ/カフカ、そしてジョイスからフーコーの系譜学へも再利用参照出来る。古典主義を神話化した幻想世界空間はダンテにおいても再現継承されるが絶対統治、天使を初めとした虚構概念を「可視実体化」させていく錯綜と幻想と奇譚の意。2014/07/21

ころこ

18
冒頭、迷宮は数学を使った規則的な構築物という側面が指摘されます。振り込状に方向転換する一本道の周回路でひとつの中心に向かう構造は、さまざまな迷宮に共通しています。ところが、この周回路を余すことなく歩みとおすことによって、人は己の過去と向き合わされます。その中心で出会うミノタウルスの神話は、決定的な経験を与えます。過去を脱ぎ捨てて成熟した者は、180度方向転換して、一歩一歩振り返りつつ、最後に外界を目指します。この死と再生の混沌と規則性との逆説が、ひとびとを魅了し、迷宮の研究と探索に向かわせました。2018/03/25

ヒダン

17
迷宮と迷路は別物。迷路は多くの枝分かれがあって同じところを何度も通ってしまうようなものを言うが、由緒正しき迷宮は一本道でぐるぐると空間をあますことなく巡った末に中心に辿り着くという構図のものをいう。そのものだけでなく迷宮図もこの本のテーマとなっている。ミノタウロス退治のギリシャ神話と迷宮は深い結びつきがあり、そこから生と再生、イニシエーションなどの象徴となった。また、城壁の防御に影響を与える魔術の印でもあったらしい。クレタ型迷宮図が世界中のあちこちで書かれているという謎は興味深い。2016/03/31

春ドーナツ

14
迷宮の内部構造は一本道であり、交差や行き止まりは存在しない。目からうろこが落ちました。つまり迷宮と迷路は別物なのですね。TVゲームの影響でラヴュリントスとダンジョンがごっちゃになっていたのも個人的に誤解の拍車をかけていた。つうか迷宮学自体知らなかったけれど。迷宮形象の基本型である七重周回路をもつ「クレタ型」のかんたんな描き方がイラストで紹介されている。確かに「ほ」とシンプルなのだけれど、最初の十字線を引いたところから、目が回って完成できず。練習すれば1分くらいで描けるらしい。ローマの道は一日にしてならず。2022/11/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/86321
  • ご注意事項