内容説明
二人の人間の間には差異がある。自然界には差異がひしめいている。そこからどんな哲学が立ちあげられるだろうか。主要著作を読み解き、最高の哲学者の核心に迫る。
目次
第1部 差異と反復(変異と進化;普遍数学;自然の哲学;ツリーとリゾーム;生命の哲学)
第2部 未来の哲学(批判と臨床―スピノザ;生存の肯定―ニーチェ;人間の終焉―フーコー;未来の素描―フランシス・ベイコン;出来事と運命―シネマ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
msykst
7
「微分的なもの」というコンセプトについて。「微分的なもの」=「差異を生産する場」であり、現実的ではなく理念的、顕在的なものではなく潜在的である。ドゥルーズが微分的なものののリアリティを掴もうとする時、それは「発生論的な志」を復権することだと。このコンセプトを確認した上で、遺伝子研究や生命倫理、哲学史等々に「微分的なもの」を敷衍して論じつつ、結果としてドゥルーズの哲学が帰納的に見えてくる感じかと。他の評者の方も行っていたけど、一見難解に見えるけども決して理解を拒むものではなく、同時にある種の凄みにやられる。2017/01/11
白義
5
タイトルに反して、入門書に使うには向いていない。小泉義之によって演奏された、ドゥルーズ的な自然哲学の展開というのが正しい。差異や個体を生む発生の流れ、生命の全肯定。そこから生まれる途方もないエネルギーとビジョンを描くのには成功しているが、現代の科学問題に対する見方が、あまりに極端でそのままはちょっと使えない。まさに極論のエネルギー、胚細胞から見た倫理学といった感じで、ドゥルーズ本としても人を壮絶に選ぶが、小泉義之らしさが全面に出ていて面白い。今の日本で、最も根本から肯定的な哲学者の一人かも2012/02/07
伊野
4
自然科学を主題としたドゥルーズ哲学について。差異の生産は微分的であり、微分は理念的かつ潜在的なベクトル場として定義されるということを基本とし、生命内部にある微分的なものを見出し肯定することが差異を発生させる場を認識すること。数理哲学にやや特化している。生命倫理の部分は、どの程度形而上学的なのかと思ったり。2025/01/23
hikarunoir
4
入門より「差異と反復」についての著述であり、難解でも理解を拒むものではない。敗北を思わせる自殺さえ、思想の補強に援用する凄みもある。2016/07/08
なっぢ@断捨離実行中
4
ドゥルーズ入門というよりはドゥルーズの使い方をパフォーマティブに示した本といった方がよさそう。スピノザ、ニーチェはもとよりフランシスベーコン論にまで一章を割いて論じているのは珍しい。厳しい評価が多いようだが、使い方さえ間違わなければこの一風変わった入門書もいい手引きになるのではないか。2016/06/06