講談社現代新書<br> 〈じぶん〉を愛するということ - 私探しと自己愛

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講談社現代新書
〈じぶん〉を愛するということ - 私探しと自己愛

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  • サイズ 新書判/ページ数 216p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061494565
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0211

出版社内容情報

【内容紹介】
「アイ・ラブ・ミー?」だれも自分がわからない……
多重人格、癒し等、こころをめぐる現象に映るほんとうの私とは?臨床的・私的体験から考える。

「私探し」の時代──そのうち私は、「私探し」という言葉は、世紀末の日本に突然、生まれたものであるけれど、それは単なる偶然ではなく、多くの人がその誕生を待ち望んでいたところに登場したという必然性があるのではないか、と考えるようになりました。そして「私探し」が世に広まった背景には、90年代以前から連錦と続く「こころの歴史」のようなものとの関係があるのではないか、ということにも気づきはじめたのです。そうなると、大げさに言えば80年代のサブカル残党を気取る私にも責任の一端はある、ということになります。なぜ、人は「私を探そう」などと思うようになったのか。またそうやって「探したい」と思っている「私」とは、いったい何のことなのか。私は、「「私探し」探し」の旅に出てみることにしました。デイパックの中に詰め込むアイテムは、「80年代サブカルチャー」と「精神医学・心理学」のちょっとした経験と知識だけです。──本書より

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

12
サブカルチャーと精神医学的な領域からのアプローチがなされている本。「アダルトチルドレン」の用語の普及に欠かせないのは「エヴァ」でしょ、などとオタク的な突っ込みをしながら読んだけれど、少し考察がさらっとしすぎている印象を受け、残念。2013/04/20

金平糖

11
「私探し」と言う言葉を90年代頃から耳に。「私を探そう」とする社会背景を踏まえた動機と「探したいと思っている私」とは何か。本来は確固たる唯一の存在の「私」だが「多重人格者」は増加傾向。 80年代終わり頃から宗教界は、精神的・肉体的な痛みや病苦からの開放を「癒し」と表現し始めたが体だけではなく「魂の救済」へ。日本では「人間を超えた大きな力により、具体的な病苦や障害を取り除いてもらうと同時に、より高次の全体性を持った本当の自分になる事」と考察。(続く)2006/05/11

柳田

11
これはなかなか面白かったおぼえが。香山さんの自伝的な話も。若い頃は例にたがわずラカンとか熱心に読んでたらしい。2018/07/31

ミツ

4
佳作。80年代の終わりから90年代にかけての、あの祭の後なのか前なのかよくわからない時代の雰囲気を良く伝えてくれる良書。 多重人格、ストーカー、癒しとオカルト、宮崎勤事件からオウム真理教まで、精神分析的な観点からの総括を計ると共に、著者自身の80年代サブカルチャーへの想いとそのツケとしての90年代に対する反省が行われる。 80〜90年代日本文化を勉強する際に大いに参考になった。 またいずれ読み返したい。2010/05/11

Naota_t

3
★3.7 緩い内容かと思いきや結構濃い、精神科医・香山リカ氏の本は毎回面白い。99年上梓。同一性拡散症候群や多重人格、シンデレラシンドローム、アダルトチルドレンなど、自らを否定することから始まる症状の根本は、「自分探し」思想と同じだと気づく。現代の「新型うつ」もこれにあたるのだろう。本当の自分なんてものはなく、それは今の自分と地続だ。そういった都合のいい考えを強めると上記の症状に行き着く。また、「素晴らしい私」が見つからなくても他人のせいにしないことだ。市川猿之助もまさに「未来は今日にあり」と言っている。2019/12/28

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