内容説明
たとえば相手を理解するとはどのようなことだろう?クワイン、デイビッドソン、サール、ローティら、現代最高の哲学者たちの主要な議論がみるみるわかるガイドブック。
目次
第1章 アメリカ哲学の中の「解釈学」(根本的翻訳;好意の原理;誇張された差異 ほか)
第2章 指示理論をめぐって(オー・ボン・パン;事実と信念;クワインの全体論 ほか)
第3章 連帯への道(久々の再会;世界の関わり;感覚与件論 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヤギ郎
12
アメリカ現代哲学を小説(対話)形式で書いている一冊。ハーバード大学の雰囲気も味わえる。対話形式で書かれているため、丁寧に議論を進めている。ただ、現代哲学の前提知識が無いと、ちょっと難しい内容かもしれない。新たな思想に触れる機会となるだろう。「解説」を読むだけでもいい。2020/09/02
白義
6
凄くよかった。英米哲学の新書としてはかなり早めに出た本で、内容も他者の言葉理解から言葉と指示の理論の最先端まで突っ込んで扱われている。小説形式なのは面食らうけど読みやすさはよし。結局のところ、他者の言語、文化を理解するにしてもある言葉が何を指しているのかを考えるにしても、我々が築き上げてきたさまざまな理論、信念のネットワークとは切り離せないしある程度自分たちの正しさを認める自文化中心主義は捨てられないので、それを前提に連帯、共生しようというローティの哲学が一先ずの結論2012/08/09
Ex libris 毒餃子
4
わかりやすくアメリカ現代哲学を小説形式で解説。クワイン、デイビッドソン、サール、ローティを知ることが出来ます。スタートアップに1冊あっても良い本です。2020/07/23
オランジーナ@
4
小説形式の哲学の解説書ですが、あまり小説の意味は無くむしろよくわからない説明になってしまった感じです。ただ哲学に興味を持つきっかけにはなるかもしれません。2016/05/09
set-you
3
キャラクター同士の会話と言う体で、英米の分析哲学をざっとまとめてくれている本著。その語り口に疑義は残るが、中々面白かった。フランス系から始まったポストモダンを読んで、対し合理的コミュニケーションを標榜し続けるフランクフルト学派のハーバマスも読んだ。英米の哲学でもとっかかりは別ながら似たような地平に居ることは変わらないのだなぁと思いつつも、その違いが際立っていて印象的。英米分析哲学は解釈や支持理論と言った世界でひたすら論理を突き詰めていた所から「確からしさ」が崩れ、人間の存在に立ち戻ったと言う印象。2012/12/04