講談社現代新書<br> ローマ五賢帝―「輝ける世紀」の虚像と実像

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講談社現代新書
ローマ五賢帝―「輝ける世紀」の虚像と実像

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  • サイズ 新書判/ページ数 236p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061493896
  • NDC分類 232.8
  • Cコード C0222

内容説明

ローマはなぜ栄えたか。「人類が最も幸福であった時代」とされた最盛期の帝国の闇に隠された権力闘争の真相とは。新たな視点から皇帝群像を描き、ローマ史を書きかえる。

目次

プロローグ 人類が最も幸福であった時代
第1章 訪れぬ光―五賢帝時代の始まり
第2章 最良の皇帝―トラヤヌスのローマ帝国
第3章 賢帝か暴君か―ハドリアヌスのローマ帝国
第4章 苦悩する哲学者皇帝―マルクス・アウレリウスのローマ帝国
エピローグ 全盛期のローマ帝国を支えたもの

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nat

39
図書館本。五賢帝というが、5人の中でも最も最盛期を演出したのは、トラヤヌスとハドリアヌスだろうか。アントニウス・ピウスは2人のお陰で平穏な治世を過ごせた。マルクス・アウレリウスは、賢帝だったが、やはり実子がいると不肖の息子でも後継者にしてしまった。当たり前だが、実子の有無が歴史に大きな影響を与える。2021/08/09

21
五賢帝時代の陰の部分に目を向けることで、この時代の真の姿を知ることができるという趣旨の本。ネルヴァの後継者選定の際の権力闘争や、ハドリアヌスの即位時の陰謀論と後の暴君化など、「人類が最も幸福だった時代」にも確かに陰はあった。ただ、その陰を闇として広げず、陰のままに留めた五賢帝たちはやはり只者ではない。ローマへの功績という点ではトラヤヌスとハドリアヌスの2人が抜きん出ているように思う。積極的な外征の後、しっかりと内政を固めるバランスの良さ。マルクス・アウレリウスには平和な時代の皇帝に生まれて欲しかった…。2014/09/01

ピオリーヌ

13
10数年ぶりの再読。平成10年の刊。五賢帝時代についての一般的な説明、すなわち徳望ある理想的な君主たちが元老院と強調して政治を行い、また元老院内の優秀な人材を養子にして帝位を継がせるシステム(養子皇帝制)が機能して帝位をめぐる内乱が生ずることもなく、国の内外が安定した時代、とは異なる五賢帝時代象が描かれる。「養子皇帝制」なるものは実際には見出し難いものであり、平和に見えるこの時代でも皇帝位継承は常に紛糾し、現実の力関係の中で後継者は決定した。静穏のうちに定位が継承された唯一のケースは世襲に等しい物であった2024/03/07

鐵太郎

13
ローマ五賢帝について、新たな視線で描き出した歴史解説書。伝説や俗説によらず、わかっている事実、史実、史料に基づいてあの時代を再構成してみたもの。歴史を遡り、初代皇帝アウグストゥスからの流れとしてのローマ史を紹介し、なぜこの五人がどのように登場し、どのような歴史を築いたかを描写します。ギボンの称える五賢帝とはちがう味わいで、素敵です。2005/02/28

Saiid al-Halawi

13
その前後が悪い治世に挟まれてることもあって余計に賞賛されてるので、あえてこの時代のネガティブな部分にスポットを当てて実像に迫ろうっていう、そんな内容。テーマをこの一時期に絞った類書って他には意外と無いらしい。2012/08/21

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