内容説明
目玉焼き・メロンパン・希望の光・人生の黄昏―日常言語に含まれる思考手段としてのメタファーをとりあげ、人間的意味の形成のしくみを明かす。
目次
序章 メタファー発見
第1章 視覚のメタファー
第2章 空間のメタファー
第3章 メタファーと現代社会
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サイバーパンツ
12
第一章、第二章は私たちが普段使っている言葉に潜んでいるメタファーを分析し、それらを体系的に見ていく。概念的な話が多いが、例示や図も多く、巻末にはメタファー・メトミニー・シネクドキの解説も載っているので、丁寧に読めば、雰囲気は掴めると思う。が、第三章は難解過ぎて、全く理解できない。学問や社会に見るメタファーについてだが、ページが足りておらず、説明不足過ぎて話についていけない。が、読書案内もあるので、参考文献を読めば、もう少し分かるのかも。認知言語学を知る足掛かりとしてはおすすめの一冊。2016/04/30
イノベーター
7
メタファーというのはレトリックの一つとして、テクニックのことだと思ってました。 しかし、この本を読むと、サブタイトルどおり「意味と認識」を大きく司っていることがわかりました。 http://www.4-de.net/changebook/%e8%87%aa%e5%88%86%e5%a4%89%e9%9d%a9/%e3%80%8e%e3%83%a1%e3%82%bf%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%bc%e6%80%9d%e8%80%83%e3%80%8f/2017/06/24
みどるん
7
人は自然とメタファーで考えている。明らか、大きな音、など普段目にしている言葉にメタファーが溢れていて驚いた。メトニミー、シネクドキも興味深い。たとえば読書について考えてみる。この言葉には理知的なニュアンスがある。焼き鳥の鳥が何でもいいわけではないように、この場合の書も本なら何でもいいわけではない。あえて読書と口にする場合、年齢、状況によって範囲が狭まってくるという意味で、この言葉はシネクドキに近い。2015/01/24
モリータ
4
◆1995年刊。言語系一般知識積読消化本。2020/08/01
Nobu A
4
購読本読了。1995年初版。まずは普段何気なく使っている日常語に比喩が溢れている(←これもメタファー)のに驚き。「目玉焼き」の序章から興味を唆られる。夥しい数の英語との対応を列挙しながら視覚と空間メタファーを体系化し、各章で解説。第3章は現代社会との関係性を考察。興味深い内容だったが、認知学と意味論といった複数領域に及ぶからか、話が所々難解。筆者が言うように理解促進の機能があるなら、解説もメタファーをもっと織り交ぜ、解りやすくできたのではと思ってしまった。いずれにしろ、初めて体系的に学び、勉強になった。2018/11/16