講談社現代新書<br> 空と無我―仏教の言語観

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講談社現代新書
空と無我―仏教の言語観

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  • サイズ 新書判/ページ数 203p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784061489974
  • NDC分類 181
  • Cコード C0215

内容説明

「行くものは行かず」―ナーガールジュナの逆説が示す、言語の限界と可能性とは?シャープな論理展開で、〈空〉の思想と〈無我〉の実践に大胆にアプローチ。

目次

1 自分とはなにか
2 自我から無我へ
3 ほかのたとえ―無我と輪廻
4 存在の研究―アビダルマ
5 空の思想
6 ナーガルジュナの『中論』
7 行くものは行かず
8 二つの真理
9 唯識思想の誤謬
10 空思想は神秘主義にあらず
11 無我の実践

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fishdeleuze

23
サブタイトルに仏教の言語観とあるように、主に初期仏教から八宗の祖師であるナーガールジュナ(龍樹)まで、すなわち、無我から空までを段階的に丁寧に解説したもの。こうしてみると取り上げられた仏教は、とても言語的かつ論理性が強いことを改めて思う。(他の方も書かれているが)龍樹の『中論』のイントロダクションとしてとてもいい本だと思う。2016/08/09

俊介

20
仏教は、決して神秘主義ではないし、「悟り」は、別に恍惚感を伴ったりしない、と著者は言う。ここに仏教の中の一つの立場の典型が示されている。龍樹という僧に代表される、中観派の立場だ。この派は、言語/論理を非常に重んじる。そして論理を突き詰めた結果、「悟りと煩悩は同じもの」などという滅茶苦茶な結論に至ってしまう。でも論理的な帰結なのだからしょうがない。だがそのような論理の限界性を示すことで、言語の世界を解体し、それを超えた「空」の世界に大衆を誘う…。本書はそんな、ほとんど哲学のような中観派の思想の解説書と言える2022/02/12

モリータ

6
◆我や我の要素の実体観を批判し、道具としての言語を越えて無我に至る龍樹の空の思想を紹介。ここまでは中村元『龍樹』の軽いおさらいといった感じなので自分で整理したこととしては、①言語の無効化の実践のために、世界の単語化(指示)問題、主述関係と主客関係を含めた作用の問題について、ありとあらゆる単語・文でこの論理を考えられるようになること(例えば主客関係の分節・結合において、「見る」という抽象的な動作ではなく「食べる」という具体的な動作でも同じことを感得できるか?)。言語学の考え方が使えるのであれば使いつつ。2018/09/11

大道寺

2
無我を我に捉われずに言うと空となる。空について語るなら、仏教における言語哲学について語ることは避けては通れない。「AはAではない、ゆえにAである」や「行くものは行かない」ということはどういうことか? 中観派の哲学について易しく説明しているので中村元『龍樹』を読む時の参考書として良さそうだ。「9 唯識思想の誤謬」については私も似たようなことを思うが、私になりに唯識思想を学んでから私の判断は下そうと思う。著者は否定していたが唯識思想は最初から方便として主張されたという説もある。(1/3)2012/07/15

Yuki

1
はじめのうちは、言葉を基点に超越論的な思想を解説できていてよかったんだけどね。/なんか最後は言いたいことダラダラ~って感じでした。2017/04/08

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