内容説明
世界経済に台頭する新勢力。同族間のネットワークと商業民族としての特性から、新たな経済圏を形成しつつある華僑・華人の人流と経済活力を分析。
目次
1 中国人の海外移住
2 華僑・華人人口
3 東南アジアの華僑・華人と経済力
4 富豪、財閥と階層分化
5 積極化する華人の政治活動
6 変容すすむ華僑・華人の文化・社会
7 外流と内流の大きな変化
8 変貌するチャイナタウン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナナ吉衛門
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世界に台頭する中国人が国を渡り、その地で活躍する実情を論じている。一般的には華僑を呼ばれている中国系の人々で、華人とも呼べれているが、その華人もアジア、欧米などではその地域制も様々であるが、その国の中では影響力は大きい。特に東南アジアにおいては、政治、軍事、大地主、実業家と並び評して大きな 存在である事は間違いない。華人のそのバイタリティは凄まじく、ユダヤ人と2大商業民族と呼ばれている。華人が大事にしているものとして①血族②地縁③業縁など東洋らしい部分もあるが、世界で活躍する華僑の存在はこらから一層大きな2013/04/07
Tera
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新書より抜粋→唐代には、海上交通、貿易の発展とともに中国人が流出し、近隣の東南アジアや日本、北アフリカにまで移住。当時外国人は中国人を「唐人」と呼び、居住地を「唐人街」と読んだ。宋、元、明の3代で約500年間に約10万人が出国。今日の東南アジア大陸部住民の多くが、かつて中国南部に居住していたが、漢民族に追われて南下した民族の後裔。中国人・インド人に東南アジアの開発に必要な労働力を求めた。理由としては先住土着民族の農民を引き抜くことは人口が少ないこと、既存の政治経済体制を根本から破壊しかねないため。2013/08/17
残留農薬
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90年の本で、香港返還後の変動や予想を超えるスピードの中国経済の成長など、本書の見通しから外れてしまった部分も多いが、グローバル化の進展に伴って華人社会の流動性が一層高まり、様々な背景を持った華人が重層的に共存する新しいチャイナタウンの展望はその通りになっていると思う。東南アジアの説明が充実しており、東南アジア諸国の華人資本の概観、インドシナ難民が与えたインパクトなどの説明は参考になる。2018/05/17