講談社現代新書<br> 大阪弁おもしろ草子

講談社現代新書
大阪弁おもしろ草子

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  • サイズ 新書判/ページ数 207p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061457867
  • NDC分類 818.63

出版社内容情報

【内容紹介】
〈大阪弁〉には、よういわんわ(私ではなし能わぬことである)、けったくそ悪い(縁起でもない、いまいましい)、ちちくる(男女がしのびあって情を交わす)、タンノする(もう十分、飽きるほど堪能した)、いてこます(やっつける)、あきまへん、おおきに……等々、上方文化の伝統と風土がはぐくんだ独特の表現と言い回しが、いまなお根づよく残っている。庶民の暮らしや風俗へのこまやかな観察をもとに大阪弁のおかしさ、楽しさ、せつなさのあれこれを自在闊達の筆さばきで生き生きと描き出す快著。

「けったくそ悪い」――これは古語の「けたいが悪い」、卦体(けたい)、すなわち気持、気色、などから来ているらしいが、「けったくそ悪い」は縁起でもない、いまいましいという意味になる。ライバルに恋人を奪われ、その結婚式の招待状が来たりすると、「けったくそ悪い」である。ふつうの不愉快ではない。腹が癒(い)えぬ、どうしてくれよう、という意味もこめられ、そのいまいましさを晴らすすべも、さし当って思いつかない、という悶々の状態。ここはやっぱり「クソ」が入ってもよい、いや入らなくてはこの悶々のやるせなさが表現できません。「けったくそ悪い!」とひとりごつと、少しは胸の憂いの雲も晴れようというもの。――本書より

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

76
大阪弁はテレビでくらいしか馴染みがないので新鮮でした。上方文化の名残りとして独特の表現が今でも残っているのですね。大阪弁の面白さ、楽しさが凝縮され、言葉というものの奥深さを感じます。2018/03/29

印度 洋一郎

2
大阪弁への親しみ、こだわりが豊かな文体表現の中に横溢する好エッセイ。この文が書かれた80年代には、昔ながらの大阪弁がいわゆる共通語に浸食された「新大阪弁」のような言葉を話す若い世代が出現していたらしい。例えば、「そうですねん(本来は、そうだす)」とか「そないして下さい(本来は、そないしとくれやす)」がそれに当たる。又、それとは対照的に、文学の中に残されている明治・大正の大阪弁は「いえへんらしおます(いらっしゃらないようです)」とか古の響きがあるが、執筆当時には既に耳にすることが少ない言葉になっていた。2024/02/17

とまと

2
『大阪弁ちゃらんぽらん』の続編と言ってもよい、らしいが、一般人の読み物としては、この本よりも『大阪弁ちゃらんぽらん』の方が読みやすいかなあ。熊八中年とのやり取りでオチもつく、という構成が優れたものなのだなあと再認識しました。2012/05/21

AiN

0
2010/12/26

テキィ

0
大阪弁は難しい。イントネーションが30年かかってもマスターできない。大阪弁が使えないとディープな大阪人の付き合いはできない気がする。よういわんわけど。あと、にゃんにゃんするがきわめて日本語的な言い回しというのがおかしかった。色々愉しい本です。2009/05/17

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