出版社内容情報
【内容紹介】
治癒の見込みのない重度障害児の手術中、医師村中は一瞬の空白に襲われる。危険な手術を執拗に求めた母親の中には子供の死を願う気持ちがあったのではないか?末期癌の苦悶や、植物人間を抱えた極限状態で、死は最後の救いなのか?生と死の選択を委ねられる医師の側から安楽死の意味を問う長編問題作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sweet november
17
植物人間になった妻を看病する夫、不治の病を持つ息子の母、末期癌の妻を持つ夫。チラッと頭をよぎる、楽にしてあげたい、楽になりたいという考え。尊厳死とは何だろう。自分がその立場だったらと思うと、すぐに結論は出ない。医師でもあった渡辺淳一さん、実体験に基づいているのであろう記述に今更ながら心を揺さぶられた。2016/09/18
tnyak
4
末期癌の想像を絶する苦悶、植物人間を看病する家族の苦悩の毎日。本人にとって、家族にとって、死は救いなのか?安楽死の意味を問う小説です。2019/03/25
まるほ
2
いまいちこの小説の世界に引き込まれなかった。主人公に共感しづらいせいなのか、文体のせいなのか…。とはいえ、第8章からの展開は十分に読み応えがあり、考えされられもした。2017/09/30
ゆんた
2
再読だがすっかり内容を忘れていて本当に読んだのか?な感じ。尊厳死について考えさせられる。少年の母の心情も深い。もし同じ環境になったらこのように受け止め受け入れられるだろうか。など。2013/03/24
もとやん
1
3人の病人とその家族に医師がかかわる中で、尊厳死や安楽死について考えさせられる物語です。ラストシーンが映画のように美しい。 2012/09/29