講談社文庫<br> 阿片戦争 〈下〉 天涯編

講談社文庫
阿片戦争 〈下〉 天涯編

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  • サイズ 文庫判/ページ数 630p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061311909
  • NDC分類 913.6

出版社内容情報

【内容紹介】
勇将関天培の壮烈な死、軍機大臣王鼎の“屍諫”、官兵の軟弱に蹶起する山中の民。だが敗戦また敗戦……迫りくる植民地化への危険に慟哭の想いを噛みしめつつも、崩壊後に来る近代への確実な目覚めを感じて林則徐は野に下る。時代は変る、いや変えなければ――阿片に内憂外患の清朝末期を鮮烈に描く完結編。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

活字の旅遊人

46
長年の課題図書、ついに読破。香港を考えるつもりが、統治や戦争全般について考えさせられる読書体験になった。「焼けた民家は、イギリス勝利の証拠ですね」「百姓どもにはそれが一番わかりやすい」/「戦争はむごいものに決まっている。よく見るんだ。眼をそむけちゃいかん」/「住民の支持がない軍隊は最も弱い」。登場人物のセリフだけでも、今の世界情勢と重ね合わせてしまうし、ロシア兵が云々という問題ではなく、戦争そのものの残虐性を思わせる。清国内が一枚岩でないのも、ね……。ここに出て来た(架空の)日本人たちの帰国後も気になる。2022/06/05

TheWho

15
下巻に入り、琦善と英国の間で「川鼻の草約」が取り交わされるが、追従外交として琦善は罷免され、英国艦隊は軍事行動を再開、廈門・舟山諸島・寧波制圧、虎門の戦い、乍浦陥落、鎮江陥落と一方的な清軍敗退をし英国に屈服する。物語は、冷酷無比な英国と崩壊に向かう支那世界を描き、そして架空の日本人を登場させる事により、後に来る幕末動乱から日清、日露、大東亜戰爭と日本が迎える争乱を暗示させた。現在の東アジア情勢の痛ましい歴史の実像を明らかにする大作です。2015/11/12

莉玖

9
漸く読了。時間はかかりましたが、一気に読んで正解でした。この後の清朝の歩む道がとても気になります。太平天国の乱関連の作品読んでみたくなりました。2019/04/05

ジャンズ

6
念願かなって読了。長編だったが、先へ先へと気持ちが引っ張られていった。英国との戦争であったが、広州では広東兵VS外省兵、乍甫では漢人vs満州人と国内で敵対している要因が大きかった。人間は組織の大小の中で常に異族との戦いをしている。そして哲文が父、連維材に言った言葉、「お父さん、新しい時代というのはこんな風に大勢の人が死ななければ、来ないものですか?」。いつの時代も時代が変わるときに犠牲を払う。林則徐の高潔な人柄が残虐なシーンが続く中、慰められた。2022/06/17

たっつみー

6
長い物語もついに終了。民衆が清の味方であれば勝てなくとも負けない戦いができたかもしれないが、結果は一部の奮戦にとどまり民衆と兵隊は反目甚だしい。林則除は左遷され影が薄くなってしまい清の混迷ぶりと戦争の悲惨さが果てしなく続く巻。2020/03/24

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