出版社内容情報
【内容紹介】
悪の限りがはびこる室町時代頽廃期。6代将軍の落胤という熊野の源四郎は、「将軍になろう」と京へ上る。京は7代将軍足利義政の御台所日野富子と、側室の今参りの局の陰湿な権勢争いに明け暮れ、源四郎はその暗闘の虜となり唐天子の幻術に翻弄される。応仁の乱前夜の奇々怪々に乱れる京の風雲を描く――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roomy
29
初司馬遼太郎作品。読みやすくてさくさくと読了したのですが思っていたのとはちょっと違ってこれで終わり?と置いてけぼりな読後。でも読みやすいので他の作品も読んでみようかと思います。ライブラリー本。2017/02/28
kawa
19
登場人物が足利義政、日野富子ということで、司馬史感による応仁の乱の物語を期待したのですが、内容は、乱自体に触れながらも、中世の人々の妖怪信仰を扱う伝奇幻想小説の趣き。これはこれで、楽しめて著者の知らなかった分野の小説に出会えた意味ではラッキー。結末はちょっと呆気ないけれど。2017/10/17
またべえ
12
子供の頃、夜騒ぐと「山姥が山から迎えに来るよ」とよく脅かされました。山の頂きには山姥の住み処だという灯火が…。金太郎の母も山姥だったという話もあります。母は強し。。2016/10/24
Hugo Grove
8
やっとのおもいで最後まで読んだ。主人公が全く成長しない。何度でも付け入られる。その繰り返し。こういう話は好きではない。2012/09/25
タツ フカガワ
7
時代は室町幕府8代将軍足利義政のころ。正室日野富子と側室お今の局との対立をはじめ、権力闘争渦巻く京へ前足利将軍の落し胤、かもしれない源四郎がやってくる。その彼の前に立ちはだかる妖術師唐天子。現実と幻が目まぐるしく交錯し、ときに頭がくらくらしましたが、読み終えたとき妖術遣いは司馬さんだったかとニヤリとした伝奇小説でありました。2018/03/23