出版社内容情報
【内容紹介】
小学校3年生のときだった。もちの木をさがしにいったぼくは、こんもりした小山や杉林にかこまれた、三角形の平地をみつけた。小さないずみがわき、まっかなつばきの花のさく、どこかふしぎな感じのする場所だった。──そして、とうとうぼくは見た。小川に流れていく赤いくつの中で、虫のようなものが動いているのを。小指ほどしかない小さな人たちが、手をふっているのを!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちはや@灯れ松明の火
76
だれも知らないぼくだけのひみつの場所。がけの下、小山の奥の三角平地、澄んだいずみ、つばきの木の特等席。ひとりだけどひとりぼっちじゃなかったのは、すぐ近くにずっといたから。赤いくつのボートに乗って、小さな手をふるこぼしさま。言いたかったことばはあとからあふれてくる。もう一度。途切れていた時間がつながる。あの場所へ。こどもの頃の宝物を、おとなになった今、探しにいこう。小さな影がはねる、小さな声が話しかけてくる、小さな友だちが笑う。なかよしになろう。だれも知らない、ぼくらだけが知っている、小さな国をつくろう。 2013/03/16
ゆか
52
信じられないことに、未読でした。ああ、小学生に戻って読んでみたい。きっと、今と思うところが違うと思います。残念。とても好みのお話でした。主人公が子どもだと思っていたのですが(出会ったときは子どもですが)大人とコロボックルという組み合わせがとてもよかった。せいたかさんが、とても素敵。コロボックルのために、いろいろ力を貸すところがよかった。おちび先生のアイデイアも、関わり方もよかった。あと、山を貸してくれているおじさんも、いい人。続編もよみたいです。2015/01/31
七色一味
49
読破。再読。読んだのは多分中学校の時かな。最初にこのシリーズを読んだのは小学校の時。3巻目の『星からおちた小さな人』のハードカバー本でした。どの巻から読んでもまぁ問題はありませんが、やはりここから物語はスタートしていますので。──終戦直後、ポッカリと青空に浮かんだ白い雲のように、突然子供の頃のことを思い出し──。せいたかさんと小さな人との、止まっていた時間がまた流れ始めました──。この部分で、私、目頭が熱くなってしまいました。なんでだろう?(続く)2012/07/21
HIRO1970
37
⭐️⭐️⭐️中学時代に読みました。2005/05/19
へのへの
34
いやー、面白かった!ひらがなが多いせいで少し読みにくかったのだけど、そんな事はお構い無しに面白かった。まず何がって、「コロボックル」っていう音の響きがいいと思うのです。「コロボックル」、一度声に出して言ってみて下さい。せーの、はい!! ほらっ、なんかいいでしょう(笑)この他にも、佐藤さんは名前のつけ方が抜群に巧いと思います。名前を聞いただけで、ワクワクしちゃったり、グッと親しみを感じたりしちゃいました。こちらの想像がどんどんと湧き出てきちゃうのです(笑)あと、さし絵も抜群!このシリーズ、次も読んでいこう!2016/08/05