感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
凪織
13
人間の、肌を剥いで暴力性を丸見えにしたような。例えばたちの悪い悪夢はどこまでも理不尽だったりするけれど、始終あんな感じ。以前早朝の電車内でひどく酔っぱらった男が嘔吐した時に居あわせてしまった不快感と恐怖を思い出した。読んでいるこっちが狂って大声を出したい衝動。作品から発せられる熱は青緑のゆらゆらと揺れる炎のようだった。じりじりと表皮を焦がし、内側の肉を溶かすような熱。書いたほうも、読むほうも体力を削り、終わる頃には息切れするような作品だった。2016/02/20
ちょん
10
増幅するハシの狂気に圧倒される。終末に向かい、キクとハシの狂気が重なり誰にも理解出来ない恐怖へと。さすがの作品だと納得させられた。2012/10/17
蛸墨雄
9
狂気の世界を日本語で書き尽くしている感じ。その部分に20代の小生は村上氏に憧れ、羨んでいたのかもしれない。天才と狂人の境を描ききっている感じがした。ただ、内容が「愛と幻想のファシズム」とごちゃごちゃになって記憶されていたので、整理のために「愛と幻想のファシズム」も読まないとと思っている。2018/06/01
Aki
8
上下巻、駆け抜けた。衝撃に言葉が出ない。読み進めながら五感が騒いで、狂気と正常の境界線が無くなる。この本が、この物語こそがダチュラではないか。虚脱と暴力、清潔と不潔、爆音と静寂といった対立項が同時に存在し共鳴し世界を破壊して創造する作品。心臓の音が鳴り続ける間は、何も諦めてはいけないんだ。2020/07/01
cheromae
6
もう、わけ分からん。2014/06/14