出版社内容情報
【内容紹介】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
凪織
14
以前『限りなく透明に近いブルー』を読んで腹の底からえぐられたため、心の準備をして読んだ。やはりえぐくて、饐えた臭いが鼻を刺す作品だった。描かれた時代のせいか、世界のせいか、日本ではないような、どこか異国の世界を読んでいるような不思議な感覚がした。人が何かしら抱えている暴力性を、キクは時折見せる。普通は分厚い壁の向こう側にしまいこんでいるものが、ぽろりと剥がれ露わになる。本書の表紙を見た母が、「昔コインロッカーに赤ん坊を捨てる事件があったわねえ」と言った。私の知らぬ時代の話である。一呼吸おいて下巻へ。2016/02/13
ちょん
11
25年振りに再読。すっかり内容を忘れていて、以前と同じように傷つく。キク、ハシ、アネモネの痛いくらいの叫びに圧倒されて、読み進めるのがツラくなる。下巻に行くのが怖い。2012/10/16
さきぼん
9
なんだかずっと眉間にシワが寄ってしまうようなお話。でてくる人出てくる人みんなどこかちょっとおかしくて、本を読むのを一旦やめてみた現実の世界がとても平和でびっくりしてしまうような。続きよみます!2018/07/25
蛸墨雄
9
何度目だろう、読むの。昔の記憶を呼び覚ましながら進めるのもまた楽しい。鉛筆で鍵括弧がしてあったり、学生時代の思考が見て取れる。にしもて、この小説村上氏20代後半のものであると今頃気づく。こんな熱いもの書く作家って最近は漫画家になっているのかなぁ?なんか最近そう感じている。下巻に進みます。2018/05/30
Kei
9
爬虫類ワニ目には、アリゲーター科とクロコダイル科とガビアル科がある。口の部分が細長く長さは牙の幅の三倍以上あって先端が八角形に平たくなっているのがガビアル科の特徴である(60頁)。お前心理学の基礎知ってるか。AとBがおるとするやろ、AとBの付き合いでやな、主導権を握るちゅうか強い発言力を持つちゅうのはな、その付き合いに無関心な方なんや、わかるやろ?(173頁)。2017/06/18