講談社現代新書<br> 日本語のこころ

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講談社現代新書
日本語のこころ

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  • サイズ 新書判/ページ数 213p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061157729
  • NDC分類 810.4
  • Cコード C0281

出版社内容情報

【内容紹介】
ローマ人が「法」を平等原理とし、キリスト教徒が、「神の前の平等」を築いたとすれば、日本人の平等原理は「和歌」であった。「万葉集」の作者が、兵士・農民から天皇まで、あらゆる階層のみならず、帰化人まで含んでいることが、これを如実に示している。和歌をよくすること、つまり日本語の真髄を体得することで、日本人のアイデンティティは形づくられた。本書は、日本人にとって日本語がもつ独特な意味を、他言語・他民族との比較、和語と漢語の対照など、縦横の引例・傍証で明らかにした注目の労作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

isao_key

3
大和言葉と漢語の使用と対比から日本語論を経て、最後に外国語教育について言及している、渡部先生の教育者としての面が見られる好著。改めて著者の該博な知識や着眼点と分析の鋭さには驚かされる。『万葉集』巻第13にある柿本人麻呂の長歌を挙げて、その中の「言挙げせぬ国」を取り出し、日本人が神代以来、多弁を嫌っていたことを実証している。現代でも日本人が国際会議などで発言がへたなのは、単に語学がへたなのではなく「言挙げせぬ国」の伝統がどこかに残っているのではないかと述べる。外国語教育には「知」の要因の必要性も挙げる。2014/06/03

marimo

0
頂き物(9) ★★☆ 大和言葉から日本語を考える。例示が非常に多く、実際に和歌や漢詩や、時にはポピュラーソングに触れながら読み進めていくことで、実感を伴って理解することができた。日本語(大和言葉と漢語の融合)と英語(ゲルマン系語とラテン系語の融合)の対比・類比もとても興味深い。2014/01/29

羊のぼう

0
日本語について、随想的につらつらと著者の考えが述べられているが、ちゃんと芯の通った日本人論、日本語論となっているところは、さすがといった感じ。日本語という観点から、古代日本人の精神世界を巧みに描いて見せている。 和歌の特質を平等の精神として捉え、それを和歌の歴史のさまざまな事例から例証している。和歌の歴史をこのように捉えて解説した本って今までなかったんじゃないだろうか? ぜひ多くの人に読んでもらいたい本だが、残念なことに今現在、絶版になっている。電子書籍でいいから再販しないのかな。2023/12/22

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