講談社現代新書<br> バロック音楽

講談社現代新書
バロック音楽

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  • サイズ 新書判/ページ数 269p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061156913
  • NDC分類 762.05
  • Cコード C0273

出版社内容情報

【内容紹介】
バロック音楽は、ある意味でもっとも現代的な音楽である。いっさいの先入観を必要とせず、虚心に音の美しさにひたりきらせる純粋さ。楽譜は見取り図にすぎず、ジャズにも似て即興演奏が重視され、聞く者の心に応じた多様な接近が可能となる。バッハやヴィヴァルディに象徴されるようにロック・ファン、ポビュラー・ファンにまで幅広く愛されている理由であろう。本書は、バロック音楽に関する最良の解説書であり、ファン待望の書である。

現代に生きるバッハ――最近おもしろいレコードを聞いた。バージル・フォックスという教会オルガニストがロックの会場で、何万というロック・ファンの若者たちにバッハのオルガン曲を聞かせている実況録音レコードである。まともなバッハである。正統的な演奏といってしまってさしつかえないだろう。多少リズムを鋭くし、テンポをいくぶん速目にとっているが、バッハの音楽には何の変形も加えていない。ところが、若者たちはフォックスの演奏を口笛をもって迎え、バッハの音楽の展開につれ、だんだん興奮し、あげくのはては手拍子までとって熱狂してゆくあり様である。わたくし自身、彼の演奏を生で聞いているが、バッハの音楽との違和感を覚えないばかりか、むしろバッハの音楽の普遍性というか、包容性というものにあらためて感嘆してしまったのである。――本書より

書評再録(本書より)
●バロック音楽と、どこかで、ふと偶然に出会った人に、さらにこの世界にふみ入るための手引きとして、本書は書かれている。一応、歴史的な概説を軸としているが、固苦しい学問臭はほとんど感じさせず、著者の個人的体験をまじえながら、バロック音楽の現代人への問いかけの意味を、一緒に考えて行こうとする姿勢に貫かれている。――<読売新聞>
●氏は、音楽にたいしてつねに開かれた態度で接しようとしている音楽学者であり、バロック音楽のすばらしさを説きながらも、それをべつの時代やべつの民族の音楽に対する優越性とすりかえようとはしない。また宗教音楽についても、「日本人には真の理解は難しい」式の俗論とは破綻委に、バッハが教会のためにも世俗のためにも、いかに人間くさい音楽を書いたかを力説する。――<朝日新聞>

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

patosan

5
西洋音楽の流れを理解するには最適な本である。2014/01/26

内島菫

3
私は音楽がそれほど好きというわけではないし音楽的な人間でもない。クラシックに興味を持ったのは歴史を見る視点が増やせるからであり、クラシックが好きなのはその音楽ではなく音が楽しめるから。メロディや歌詞、イメージ、グルーヴ感、雰囲気等ではなく、物理的な楽器の音そのものを聴きたいという興醒めなところから始まる。バッハやヘンデルをはじめ、音楽家たちを取り巻く当時の社会状況に触れているところは興味深かった。一般の人たちが彼らの音楽をどう受け止めそういった音楽とどうかかわっていたのかも知りたいが、記録がなさそう。2015/05/12

みそさざえ

2
再読。著者がヴィバルディが好みでないというのが少し意外だった。でもよく考えてみると演奏していて楽しいが、音楽の深みには欠けるかも。でもそれを言ったらバッハ以外のバロックは、皆そんな感じもする。2015/05/29

かぷかぷ

1
バロック音楽を中心に、それ以前から近代に至るまでを鳥瞰的に程よくまとめた好著。2012/02/26

みつ

0
バロック音楽→リュリ→現代音楽→ピアソラ「リベルタンゴ」繋げれたかな?2014/01/23

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