出版社内容情報
【内容紹介】
禅は、ある意味で宗教を超えている。自然と人生を透視する仏教者の哲学であり、科学的な心身鍛練法であり、また、すぐれた対話法でもある。本書は、禅のもつこれらさまざまな側面を、科学的に解明する。また、他宗教との比較、脳生理学の応用、いくつもの座禅経験などを織りまぜて、禅の全体像を浮き彫りにする。心理学者として、禅の本質を科学と宗教の合一に見、理論的裏づけをもって普及につとめた著者による禅の「実践」のすすめである。
脳波が示す自由な心――精神医学の笠松教授が行なった興味深い実験の報告があります。目を開いて座禅している熟練した坊さんに、15秒ごとにカチッ、カチッという音の刺激をくり返し与えてみますと、何回やっても、脳波の反応にあまり変化はみられないのに、禅の修行を積んでいないふつうの人々に、座禅の状態に近いように目を閉じさせて同じ実験をやってみますと、初めは禅僧には見られないような大きな脳波が認められます。しかし、座禅を長く続けた後には、ほとんど脳波の変化がなくなります。禅の心境は、ものをはっきり認知しながらそれに心をとどめないというのが根本ですが、それが脳波の形で明らかになるわけです。座禅によって生ずるこの澄みきった心こそ自由な心だと申せましょう。――本書より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
epitaph3
2
白隠。そして静座について。2014/01/01
Hiroshi Osumi
1
座禅をやり始め、手に取った本です。 仏道無上請願成 禅を会得し、自分の中の魂を知りたい。2015/09/22
kotohito
1
約50年前の本だけど、本質的な内容は色あせてないと思った。参考になる。2012/01/04
ゆきうさぎ
0
易しい語り口で科学・精神分析・健康法・宗教学の観点から禅を紹介している。宗教ゴリ押し感がなく、禅への様々なアプローチが上げられているので、素直に座禅に興味が湧いてきた。大学時代に買って放置していたけど、もっと早く読めばよかった。2013/08/18
しゃいる
0
心理学者が書いた全の簡単な解説。宗教としての禅より健康法や心を落ち着かせる実用的な面や、禅を部外者な視点で見た説明、など。2012/07/06