出版社内容情報
【内容紹介】
パイパニア戦争の脱走兵天下太平は、人工受精の実験材料にされてしまった。ところが、彼の精子により生まれた子どもは、第三の性を持つミュータントだった！！新人類の誕生をめぐり壮大に展開する人間喜劇、第1弾！！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コリエル
5
男でも女でもない第三の性たる子供たちと、そのタネの主である男の物語。せっかく性別の超克についてとか現代においてすら先駆的なテーマになりそうだったのに、第三の性＝人権のない人工生命ということで彼らを見せ物に利用しようって流れになっちゃった。これじゃ火の鳥でやったクローン編の同工異曲になってしまうのじゃないかなあ。2020/04/26
こっこ
2
東海林さだお先生の アサッテくん？と思うような、 これまでの手塚作品にはない 線で描かれていたので、びっくりした。 ラフだが味があるので、私個人としてはアリ。 内容としては、正直問題作だ。 デリケートな性の問題であるにも 関わらず、人権がない。 ただただ悲しくなる。こういった深い感情を 読者に背負わせるわけだから、傑作ではある。2016/06/09
こひた
1
産業化された無性人間が・・・ってのは初代のロボットと似たような話か。2016/02/20
歩兵
1
社会派＆SFというやや小難しい題材だが、話があまり込み入っておらず世界に入り込みやすい。第二次世界大戦で民間人まで巻き込んだ悲劇を目撃したら「生まれながらの傭兵」という第三の人間の存在を発想するのもうなずける。無性人間は当然ながら次世代を残せないので、太平の精子が尽きたら太平天国は滅亡すると思うのだけど、金儲けのために作られた国だから一財産稼げたらもうお役御免なのか、それとも２巻で人口精子を作る展開になるのか、はたまたそんな細々したことは気にせずストーリーが進むのか。2013/05/17
Takuya Araki
1
30-31冊目、手塚治作、「人間ども集まれ！」。１０年くらい前に盛り上がった、クローン人間問題。それより２０年も前にそのクローン人間をテーマにしているのがこのマンガ。桃の缶詰を大量生産するかのように、人間が工場で腐るほど作られる。全ては戦争のために。人権も自由もないこのクローン人間（ミュータント）がもたらすバッドエンドはもしかしたらハッピーエンドかもしれない。発禁レベルの戦争ポルノ。2012/07/23
