出版社内容情報
高橋紹運の子として生まれたのち、立花道雪の養子となり立花家を継いだ。関ヶ原の戦いでは徳川家康の誘いを断り西軍に所属、敗戦後、改易されて流浪の身となるが、武功をかわれ徳川秀忠より旧領・柳川に封じられ大名として復活した。
内容説明
実父・高橋紹運、養父・立花道雪と名将二人の薫陶を受けた立花宗茂は、大友家臣として武名を轟かせ、秀吉の九州征伐後は筑後柳川城主として独立。朝鮮での勇猛な戦ぶりで、秀吉に西国無双、九州の逸物と激賞された。一度も家康に靡かなかった故に、関ヶ原後は長い冷遇期間を忍ぶこととなるも、その才を惜しむ二代将軍・秀忠による復権後は、大坂の陣、島原の乱と武勲を立て、三代・家光からも絶大な信頼を得るに至った。義を貫き通した最後の戦国武将、波乱の生涯。
著者等紹介
志木沢郁[シギサワカオル]
1955年、東京都生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。高校非常勤講師。2003年、『嶋左近戦記信貴山妖変』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞しデビュー
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感想・レビュー
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円盤人
4
立花宗茂の小説は、正妻・誾千代との関係をどう描くかという命題が常に付きまとう。例えば上田秀人『孤闘』の誾千代は、旧態然とした戦国的価値観の象徴であった。だが本作では正反対、感情的で気位が高いどころか、理知的・合理的に過ぎるという珍しいケース。宗茂は彼女の理解者でありながら、正対すると疲れるのでその存在を持て余す。要所要所で近づき、また離れていく妻は、ときにファム・ファタル的な顔も見せ、独特な誾千代像となっている。それを受ける宗茂のキャラクターも深く描いており、晩年の人間関係に説得力を持たせている点も見事。2020/08/17
みやしん
2
立花宗茂を題材にした小説の中では比較的晩年の描写が多いという珍しい構成。朝鮮の役での子細もしっかりと描かれた。長寿の老将をちょっとちやほやし過ぎじゃないかな?ぎんちよとの掛け合いは淡白だった分、お互いを分かり合おうとする気持ちの些細なズレがもどかしかった。余り接点のない家康はいいとして、各作品で第一側室の矢島氏の出自が様々。
キクイチ
2
宗茂とギン千代夫婦の関係が好きです2008/11/15
BIN
1
高橋紹運の息子立花宗茂の生涯。立花宗茂ものはまず高橋紹運の玉砕から始まるのが常なのですかね。大きな戦で華々しい活躍の場を得ることができなかったのが運のつきか。誾千代のツンデレ?と宗茂とのやりとりが一番面白かった。2011/12/08