学研M文庫
ミグ25事件の真相―闇に葬られた防衛出動

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  • サイズ 文庫判/ページ数 261p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784059010722
  • NDC分類 392.1
  • Cコード C0121

出版社内容情報

1976年、突如函館空港に舞い降りたソ連戦闘機・ミグ25。奪回に向け襲来が予想されたソ連ゲリラ撃滅のため、自衛隊が様々な葛藤を経て独断で決定した防衛出動の隠された真実を、元自衛官の著者が赤裸々に綴る。   

内容説明

冷戦さなかの1976年9月、函館空港にソ連軍戦闘機・ミグ25が強行着陸。数日後、混乱も静まり事件は収拾に向かうかに見えたが、突如「ソ連軍ゲリラ襲来」の機密情報がアメリカより届く。陸上自衛隊第十一師団第二十八連隊基幹の部隊はただちに臨戦体勢に入るも、政府首脳は防衛出動命令の発令を躊躇。止むなく制服組は独断で防衛出動を決意し、行動を開始した…。闇に葬られた防衛出動の真実を明かす、衝撃のノンフィクション。

目次

仮想敵国・ソ連の軍用機が飛来
初動対処に五者五様
ソ連軍ゲリラの侵入
防衛出動の事前認可
陸幕首脳の現地指導
独断専行に望みをつなぐ
孤立感を深める連隊
連隊長の出撃訓示
武器使用で意見対立
函館上空に曳光弾発射
偶然、錯誤、幸運
トカゲの尻尾切り
事件の後始末と残照
ミグ25事件の教訓は生かされたか

著者等紹介

大小田八尋[オオコダヤヒロ]
安全保障アナリスト。1931年、鹿児島県に生まれる。北海学園大学卒業。1952年自衛隊に入隊、陸自幹部学校CGSを修了、1986年退官。陸士から1等陸佐までの各階級で奉職。この間「市ヶ谷駐屯地での三島由紀夫割腹自殺」「ミグ25戦闘機の強行着陸」等の事件にかかわる。退職後、セントラル警備保障(株)札幌支社長、札幌パブリックサービス(株)取締役に就任。現在、(株)冬総研国際環境総合研究所長として、ハーバード大学など北米の三つの大学の研究者と持続可能性に関する共同研究プロジェクトを推進中
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イプシロン

21
「ミグ25事件」にあった事実を、公表できる範囲で公開することなく闇に葬った政府は、その時一体なにをしていたのか? 真っ先に感じた疑問だ。自衛隊に的を絞って書かれているだけに、鵜呑みすることは危険だ。当時の三木内閣の動静を知れる本との併読くらいは必要かもしれない。――国防とはいったい何を守るのか? そのために犠牲になる人がいるという日本の事情。結局、優れた防衛装備やシステムをもっていても、それを運用する人たちに能力がなければ、何の意味もないのだ。安保法制案を審議しているこの時期にこそ読んで欲しい一冊。2015/06/20

可兒

4
ソ連が北海道に攻めてきたとして、自衛隊が出るころには東京が陥ちているだろうという笑えない小話をむかし聞いた。この当時は今よりも状況が厳しかったのだと改めて教えられる2012/12/29

風見草

4
強行着陸したミグ25のソ連による破壊工作があるかもしれないとの情報があったものの、正式な防衛出動が発動されなかったため、秘密裏に進められた迎撃作戦です。事件に立ち会った師団法務官の記した緊迫のノンフィクションです。正式な防衛出動命令が出ないが故の苦労は、有事法制の意義について考えさせられます。2009/08/30

ななみ

3
冷戦真っ直中、ソ連の最高機密・最新鋭戦闘機が函館空港に強行着陸するという驚天動地の大事件。闇に葬られたその内幕を、自衛隊の「法の番人」であった著者が記録したのが本書。日本の平和がいかにきわどいバランスの上に成り立っていたか、背筋が寒くなってしまう。もしミグ25に攻撃意図があったら? もしソ連軍が機密奪回を図っていたら? もし、もし…? 日本や日本人とは全く関係ない、国外の誰かの判断の積み重ねでぎりぎり保たれていたこの平和。本書をよく読むと、幻想ではない真の平和主義について考えさせられるはず。2013/05/24

ひろ

1
国防にすらアレルギーを持つ、日本人のナイーブさと極端さを改めて考えさせられる。タイが軍事クーデター中で、一定の指示を受け平穏なことを思うと、どうにも不思議な気がする。2014/06/03

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