学研M文庫
海上護衛戦

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  • サイズ 文庫判/ページ数 459p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784059010401
  • NDC分類 916
  • Cコード C0121

出版社内容情報

資源物資のほとんどを海外に依存している日本は、シーレーン(海上交通線)を断ち切られたら、たちまち軍事生産力は崩壊してしまう。太平洋戦争時、シーレーン確保のために様々な研究と実践を体験した著者が、実例をもとにして綴った海上護衛戦の記録。   

内容説明

シーレーン(海上交通線)問題をぬきにして、日本の軍事問題は考えられない。資源物質のほとんどを海外に依存している日本は、この海上交通線を断ち切られたら、たちまち軍事生産力は崩壊してしまう。太平洋戦争時、このシーレーン確保のために様々な研究と実践を体験した著者が、実例をもとにして綴った海上護衛戦の記録。現代のシーレーン問題を考える上でも、欠くことのできない貴重な体験記である。

目次

第1章 開戦計画における大誤算(開戦前)
第2章 国力かまわず前線へ前線へ(昭和16年12月から同18年8月まで)
第3章 戦争指導の転換期(昭和18年9月から同年11月まで)
第4章 「海軍に二大戦略あり」(昭和18年12月から同19年2月まで)
第5章 決戦準備の輸送、資源蓄積の輸送(昭和19年3月から同年5月まで)
第6章 崩れ去る夏の陣(昭和19年6月から同年8月まで)
第7章 南方ルート臨終記(昭和19年9月から同20年3月まで)
第8章 日本本土完全封鎖(昭和20年4月から同年8月終戦まで)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ELW

3
NHKスペシャルの『ドキュメント 太平洋戦争』をDVDで 観てたけど、海軍、陸軍、民間で、空いている船腹の融通 すら途中までやってなかったことは、さすがだと思った。2019/05/10

seafarer

2
太平洋戦争の敗因を理解するには、本書をおいて他にない。 3年以降の見通しが立たない上での開戦、陸海軍の縄張り意識による非効率、海軍の複雑かつ曖昧な指揮命令系統、艦隊決戦という手段の目的化、戦局の悪化に伴う破れかぶれな作戦指導etc. 南方の資源を獲得するために戦争を始めたにも関わらず、作戦を優先して資源輸送を疎かにしてしまったのは全く本末転倒である。 日本人として、何だかやるせない気持ちになる。 中国による昨今の海洋進出も併せて考えてもらいたい。 平和な今日でも戦時を振り返って学ぶべきことは多い。2022/03/13

ヒトハバレイ

2
本書は戦中の帝國海軍にあって、海上通商路の保護を司る「海上護衛総司令部」に所属した筆者の「回顧録」である。主観に終始することは横に置くとしても、日本が大戦に負けた本質の一端は十分に理解できよう。つまり緒戦の勝利ゆえ、ついに明治期の国防方針から脱却できず、染み付いた決戦思想へ執着しすぎたことで、本質的には経済戦争であった大戦を見誤り、国の存亡に不可欠な物資の死守を怠った挙句、負けるべくして自滅したのである。資源に乏しい島国にとり、シーレーン防衛がいかに死活的で生命線であるか。それを胸に刻むべきであろう。2014/01/01

歯痛軍曹

2
著者の大井篤氏が海上護衛総司令部に勤務していた期間を通して物資の輸入を軸に戦争の推移を記録した1冊です。その物資を海外からの輸入、輸送方法を船舶に依存しながら決戦一本槍の元に連合艦隊の整備のみが進み、その連合艦隊はおろか軍事・民需を整え生産を保ち戦争遂行能力の担保としての海上輸送を軽視した結果、敗戦を迎えるという本末転倒な戦争を分かりやすくかつ詳細な記録を元に書いており資料としての価値が非常に高いです。他の方のコメントにもありましたがこの様な本が絶版だから日本は国防方針の二転三転やら軍事音痴が治らないのだ2011/09/03

てら

2
この本がもう絶版というのに絶望する。日本が戦争に弱い理由がよくわかる。

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