失踪

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失踪

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  • サイズ B6判/ページ数 435p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784054007970
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

われわれは誰なのか?われわれはどこへ向かっているのか?ミステリアスな最新長篇の秀作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スミス市松

6
上院選に敗れたジョン・ウェイドは妻キャサリンと湖畔の山荘で慰みの日々を送る。しかしある朝、目覚めると妻が消えていた。失踪の手がかりは全く掴めず、次第にジョンに疑いの目が向けられる。そして彼の記憶の奥底にはベトナム戦争の影が。物語は事件の関係者による証言と様々な文献の引用、ジョンの幼少時代、“奇術師”とよばれた軍人時代、戦後の議員時代の回想、さらには語り手による複数の仮説といった様々な断片が交錯し、ばら撒かれた無数のオブセッションは奇術師の巧みな手捌きで切り混ぜられ、真実は錯乱的な追憶のヴェールに包まれる。2011/06/29

Coto+Ri

1
真実を求めて仮説を並べても、結局わたしたちは真実には辿り着けない。真実は謎のままに漂い続けるしかない。ベトナム戦争で実際に起きた村民虐殺事件を背景に、夫婦の問題を取り扱った本書。後半の「かもしれない」の畳みかけで構成された章は、決して読んでいて気持ちのいいものではないけれど、やはりそこにどうしようもない切実さを感じてしまう。上手く書けないティム・オブライエンにしか表現できない感情。彼の絞り出された声、削り取られた心をわたしは身体に染み込ませて生きていく。彼が書くことで少しでも救われることを願ってやまない。2012/03/02

桜井晴也

0
「列席者はしゃがみ込み、嘆き悲しみ、目を掻きむしっていた。牧師が『罪!』と叫ぶ。オルガン奏者がオルガンを奏でる。そしてジョンは泣いている奴ら全員と、泣いていない奴ら全員を殺したいと思った。全員だ。牧師も列席者もオルガンを弾いている痩せこけた老婦人も。金槌を摑んで蛸壺壕の中にもぐり込み、死んだ罰として父親を殺したかった。/『僕は、お父さんを愛してるんだ』と、彼は声を張り上げた。『本当なんだ』」2014/03/27

yooou

0
☆☆☆☆★2007/07/03

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